「医師は社会的常識がかなり欠落している」麻生総理は19日に自ら発言したこの内容について、陳謝しました。しかし、波紋は収まりません。
「国政を代表する立場である総理の、あまりにも認識を欠いた軽率な発言は、耐え難い環境で医療現場を懸命に守る医師の真摯な努力を踏みにじるものである。奈落の底に突き落とされた」(日本医師会、竹嶋康弘 副会長)
麻生総理に激しく抗議する日本医師会。事の発端は、19日に開かれた全国知事会議で、麻生総理が地方の医師不足について自らの考えを述べた際に出た、この発言です。
「(医師は)社会的常識が欠落している人が多い。ともかくものすごく価値観が違いますから」(麻生首相)
医師は社会的常識が欠落している人が多いと発言。その日のうちに謝罪したものの、20日になって政府・自民党内から苦言を呈されました。
「(医師に対し)勇気をくじくというか、誤解を与えるようなことがあったら残念」(舛添要一 厚労相)
「医師は、患者さんと向き合って、社会的常識がなければできない仕事ですから」(自民党、鴨下一郎 元環境相)
そして、野党からは・・・
「常識がないのは発言している総理の方では」(民主党、菅直人 代表代行)
また、社会的常識が欠落している人が多いと言われた側の医師たちからは、抗議の嵐が巻き起こっています。全国の開業医、歯科医で構成する全国保険医団体連合会は、声明を発表し、「麻生総理は行政府の長として失格」と痛烈に批判。また、日本医師会の唐沢会長は、麻生総理を訪ね、直接抗議しました。
「(首相の)発言が誤解を与えているようだし、だいぶ不適切だったということなので、撤回なさるというご発言でした。すみませんでしたという言葉をいただきました」(日本医師会、唐沢祥人会長)
麻生総理は、言葉の使い方が適切でなかったと、発言を撤回したということです。(20日16:50)