宇波行政書士事務所
〒108-0075
東京都港区港南 2-3-26-401
TEL. (03)-5782-8816
FAX. (03)-5460-0201

■事務所のご案内
 (担当者の紹介及び所在地等)
■入管申請書類作成と代行申請
■在留資格認定証明書交付申請
    結婚ビザ配偶者ビザ
 (不交付の場合と上陸特別許可)
■上陸特別許可
■国際結婚(タイ)
■国際結婚(韓国)
■国際結婚(中国)
■国際結婚(フィリピン)
◆フィリピン特集
 (身元調査及び婚姻無効訴訟)
■オーバーステイと在留特別許可
■強制送還と仮放免許可申請
■入管法の一部改正
■子の認知と国籍取得
■帰化
■外国人研修生の受入れ
■業務依頼される時の必読事項
■遠隔地の皆様のために
当事務所の基本理念へ

必読
フィリピン人との結婚後に生じる
一般的な事件
(10例掲載しましたのでご覧ください)


(1 本国への送金)
 フィリピン人女性の殆どが、結婚後は毎月フィリピンの実家に送金することを日本人男性に約束させます。これは他の外国人妻には見られないフィリピン人の顕著な特徴です。当事務所も長らくアジア各国の国際結婚手続きやビザの事務に携わっており、例えば中国人の親の多くは娘を嫁がせるとき日本人に対して「私たちの生活は大丈夫です。お金の心配は要りません。娘を幸せにして下さい。それだけお願いします。」と言って娘を託します。実際、日本人と結婚した中国人の妻が毎月のように中国の親(実家)に生活費を送金することはありません。
 ところがフィリピン人の親は違います。結婚が具体的になる段階で「働き手がいなくなるのだから毎月○万ペソ(○○ドル)送金しないなら娘とは結婚させない。」或いはフィリピン人女性本人も「フィリピンの家族のために毎月○万円送金して欲しい。」と、言い出します。
 日本人の男性は当初は「月に○万円程度なら。」と、承諾するのですが、将来、送金額は確実に増加します。減ることはありません。それだけでなく、月々のフィリピンヘの送金とは別に、年に数回10万円以上のまとまったお金を要求することが普通です。忘れた頃に、突然、また困った顔をして「お金が必要なの。」と言い出します。その口実の例として「家族の誰々が病気になった。手術が必要。入院が必要。」「台風で家が壊れた。洪水の被害に遭った。」「兄弟・子供が学校に入学する。学費がかかる。」「泥棒に入られた。お金を落とした。スリにやられた。」などがあります。フィリピン人は親の葬儀代まで日本人の夫に負担させようとします。ある日本人の夫がフィリピン人妻に「なんでオレばかりお金を出すんだ!お前の兄弟は何をしている!」と言うと、「みんな仕事がないし給料も安いから。知っているでしょう!」と、逆切れされたそうです。
 勿論(もちろん)、フィリピン人の妻は入国後に働き始めますが、働いて稼いだお金は通常は家に入れず、フィリピンに送金するのが一般的です。つまり、自分が稼いたお金は当然フィリピンに送金し、更に日本人の夫から毎月お金を受け取って送金するのが当たり前だと考えています。
 日本人の夫の中には、「妻が稼いだお金だから本人がどう使おうと勝手。フィリピンの親元や子供に送ろうと勝手だ。オレはそこまでは口は出さない。」と威勢よく啖呵(たんか)を切る方もいますが、夫婦生活を望むならこれは私にはまともな考えとは思えません。日本人と結婚したフィリピン人に、将来の人生設計のために夫婦で協力して貯蓄をしようという考えはありません。貯蓄するなら「フィリピンの銀行は利子が良いから、フィリピンの銀行にしましょう。」と言うでしょう。そして「貯金口座の名義は私と共同名義にしておけば便利。」と言います。ご注意を。
 フィリピン人と結婚して5年10年一緒に暮らせば、知らない間にあなたの貯金(資産)が何時(いつ)の間にか消え、気づいたときには慢性的な金欠病に陥っています。フィリピン人と結婚したら生まれた子を大学進学させたり高等教育を受けさせようと望むのは夢のような話しです。知らず知らずのうちに金欠病に陥り、将来は子を大学に進学させる資金などとてもなく、それどころか生活の余裕もなくなっている現実に直面するでしょう。外見的には普通ですがフィリピン人女性と結婚している多くの家庭の家計は火の車です。
 結婚後、金銭に纏(まつ)わるトラブル続きで10年以内の離婚が本当に多く見られます。私の知る限り、フィリピン人と結婚し、その連れ子や実子が大学に進学したという例を知りません。子を大学に進学させるよりは、日本人と結婚している間にフィリピンの実家に送金してフィリピンの家族の生活を良くしたりフィリピンで家を改築したり新居を購入しようとするのです。彼らにはとってはそれが優先事項なのです。

(2 現地フィリピンでの家の購入)
 家の購入はフィリピン人の願望です。結婚後、日本人夫に資金的余裕があることが分かるとフィリピン人女性は現地での家の購入を言い出します。身元調査の実例集の中でも紹介しましたが、「フィリピンは物価が安いから老後はフィリピンで暮らそうね。建てたら暫くは賃貸しても良いし。」と言葉巧みに持ちかけます。既に申しあげたとは思いますが、フィリピンでは外国人である日本人は土地を所有することは認められておりません。そのため土地の名義はフィリピン人妻になります。
 これまで現地の不動産に関する数々のトラブルを見てきましたが、驚いたことに殆どのケースで日本人夫は家を購入する契約に立ち会っておらず、フィリピン人妻に言われる金額を預けて契約書の内容さえ確認せず、更に売買契約書や権利書さえ手元に置いていないのが実態です。日本人は自分が家を購入する資金を拠出したにも拘らず、実質的にフィリピン人の妻とその家族に購入した物件を押さえられたままで身動きがとれない状態だと嘆く日本人が多いのです。知らないうちに家を売却されていたという事例もあります。
 フィリピン人妻との関係がおかしくなってからフィリピンにある家を取り戻したいとか売却したいとの相談も数多く受けますが、「100パーセント不可能です。」と言うのが私の回答です。裁判を申し立てても徒労です。フィリピンでの裁判は時には嫌がらせをされて何年もかかります。裁判費用も相当かかります。日本人がフィリピンで民事訴訟を申し立てて勝訴するケースは殆どないと考えていただいて間違いありません。家は戻りません。結婚後に子も設けたからと安堵して将来のためにとフィリピンで家を購入したりすると取り返しのつかない事態を招きます。
 大変失礼な話ですが、フィリピン人妻との関係が円満でなくなり現地の家を売却したいと相談にお越しになる日本人男性は、その家の購入資金だけでなく、それまでにも相当なお金を使わされて或いはお金を渡しています。私どもの事務所を訪れる時点では、もう経済的に余裕がない状態になっている方が大半です。これからフィリピンに渡航して現地で裁判するための弁護士費用すら捻出てきない状態に陥っている日本人が多いのです。(下品な言い方ですが)スカンピンになって初めて現実を直視するのです。お金がなくなってから初めて自分が騙されていたことに気付くのです。騙されていたとの表現が適切でないとすれば錯覚していたことに気付かされるのです。

(3 フィリピンにいる連れ子の招へいと養子縁組み)
 他の項目でも記載しましたように、日本人との婚姻後、フィリピン人妻の多くは現地で独身時代に産んだと称する子を、所謂(いわゆる)連れ子として日本に呼び寄せて一緒に生活したいと言います。ときには、そんな子が二人も三人もいる場合があります。二人もいればフィリピン人男性と結婚している(既婚者)と見做すのが常識です。ところが、フィリピン人女性は必ず「子供の父親とは恋人関係だけ。シングルマザーなの。」と言います。そして多くの日本人男性はその言葉を疑わず鵜呑みにします。
 更に、そんな連れ子を日本に招聘した後は養子縁組して欲しいと主張します。養子縁組して日本人夫の相続権を取得して自分たちの相続分を増やすことと、養子縁組みすることにより連れ子のビザをより確定的なものにしたいとの思惑があるのです。
 毎月フィリピンの家族に送金して、尚かつ懸命にフィリピン人の連れ子を育てている(育てさせられている)日本人夫の姿を見ると馬鹿らしさを通り越して情けなくなります。或る意味で、フィリピン人は自分たちの子供を日本人にお金を出させて育てるのが上手いと言えます。
 このようにして日本に招聘される連れ子の中には入国後窃盗や薬物使用で検挙される者も多くおります。また、20歳前後になるとその連れ子も結婚するのですが、多くの場合、結婚相手は日本国内にオーバーステイしているフィリピン人か、フィリピン本国に渡航してフィリピン人と結婚して日本に連れて来ます。日本人と結婚するのは希(まれ)です。
 ついでに申しあげますが、入国管理局などで親に連れられて来ている子供たちを散見しますが、フィリピン人の子供達は大変に行儀がよくありません。大きい声を出して周囲を気にせず走り回ったりしています。躾(しつけ)が悪いのです。フィリピン人の母親も辺りを気にせずフィリピン人同士のべつ幕無しで喋り続けています。欧米そして他のアジア諸国の子供たちと比較して彼女たちの子は総じて行儀がよくありません。結婚は将来の子の育児や教育まで考慮してすべきです。

(4 フィリピン人家族の来日と短期滞在)
 フィリピン妻は結婚後、フィリピンの家族に日本を見せたいので日本に呼んで欲しいと言い出します。そんなとき勿論(もちろん)費用は全部日本人夫が支払うのが専らです。渡航費用を自腹で支払って来るフィリピン人家族など皆無です。
 入国したら入国したで、フィリピン人の家族は在留期間の90日間ぎりぎりまで滞在しようとします。人の迷惑など考えません。それどころか90日間では足りなくて更に90日間ビザを延長しようとします。
 このホームページの「MENU」に国際結婚(例 フィリピン人との結婚)があります。その中の項目に[短期滞在者との結婚に注意]との項目があります。そこにも記載いたしましたように、日本人夫に渡航費用を負担させてかつ入国の身元保証までさせて自分の兄弟姉妹や親族を短期滞在のビザで日本に呼び寄せ、そして日本滞在中にその親族を日本人と結婚させようと企てるケースが実に多いのです。
 悪質なケースでは招へいした姉妹や姪を滞在中にスナックなどで働かせてそこで知り合った日本人男性と結婚させようとし、ときには意図的にオーバーステイさせてまで結婚させようとします。ちなみに、短期滞在のビザで滞在する外国人の就労は法律で禁止されております。また、オーバーステイ(不法残留)は犯罪です。しかし、フィリピン人妻は身元保証人になって招聘した日本人夫のことなど一考だにせずお構いなしで不法残留させます。そのような事例が数多くあります。残念なことですが最近はフィリピン人妻の言いなりになって招へいした妻の親族のオーバーステイを黙認する日本人夫も大勢います。そんなフィリピン人と一緒に暮らし始めると法律を遵守するという感覚を喪失するようです。
 何度も繰り返して申しあげますが、彼らは夫よりはフィリピンの家族や親族が大事なのです。親族を日本人と結婚させて如何(いか)にフィリピンの家族の生活を安定させるかが重要なのです。多くの日本人夫は自分が利用されているだけだと認識できないでいます。

(5 日本人夫の失踪)
 フィリピン妻から頻繁に寄せられる相談のひとつに「日本人の旦那さん(夫)が行方不明になった。ビザ(在留資格)の更新ができない。どうすればよいか。」があります。日本人夫が失踪すること。これもまた中国や韓国そしてタイ人の妻と比較してフィリピン人妻だけに見られる突出した特徴です。どうして、こんなにも多くの日本人夫が行方不明になるのか理解に苦しみます。その行方不明の理由の多くが「借金」です。
 これは推測ですが、フィリピン人女性が他の外国人妻と比較して婚姻当初からお金を要求し続けることが日本人夫の失踪の原因だと思います。フィリピン人と係わって約30年の私の推測です。一概に的外れだとは思いません。あれこれと色々な理由をつけてフィリピンヘの送金のために何年も何年もお金を要求されて遂には困窮して嫌気がさして失踪する日本人夫も多いのです。
 行方不明となる日本人夫にも反省すべき点はあると思います。それはフィリピン人女性の婚姻目的を見抜けなかったことです。すなわち何を目的として日本入国するかを見抜けなかったことです。「出稼ぎ結婚」とか「出稼ぎ出産」という言葉も聞かれて久しいのですが、フィリピン人女性が何を目的で日本人男性と結婚するかを冷静に考えることです。
 ところで、日本人の夫が行方不明と主張するのですが、よくよく話を聞いてみると自分の方から夫の家を出て別居している場合も多いのです。別居の理由を尋ねてみると、夫がお金をくれない。夫と夜の生活をしたくないと言う回答も多いのです。つまり、単刀直入に言えば、ビザのために仕方なく結婚はしたものの、毎月フィリピンに送金するお金もくれないのなら別居して自分で働いて稼いでフィリピンに送金した方がまし。と言う考えです。
 更に、私どもの事務所に上記の理由(夫が行方不明でも日本に引き続き滞在したいのでビザを更新したい)等で訪れるフィリピン人女性は、多くの場合、別の日本人の男を同伴して私どもの事務所に現れます。そして、その連れの日本人男性を身元保証人にしてビザを更新しようとします。多くの場合別の日本人を連れて現れると申しましたが必ずと換言しても差し支えありません。フィリピン人女性は夫との関係が円滑でなくなると援助してくれる日本人の男性を常に捜して(今風に言えば)キープしています。

(6 永住権と離婚)
 フィリピンの願望のひとつに本国で家を購入することであると記載しましたが、もうひとつの強い願望が日本での永住権の取得です。結婚したばかりのときは、ビザ(在留資格)は「日本人の配偶者等」を付与されますが何年か後には申請すれば「永住者」のビザに変更できます。
 この永住者の在留資格を取得した途端に離婚するフィリピン人女性が多いのです。永住者の資格を取得すれば、離婚しても日本にずっと在留することができます。「日本人の配偶者等」のビザは夫との同居が条件です。ですが、永住者はその必要がありません。
 悪質なケースでは「離婚したいから永住権を申請したい。」と相談に来るフィリピン人女性もおります。そして、フィリピン人女性が永住権を取得した後に再婚する相手はフィリピン人男性です。結婚することで、その相手のフィリピン人男性にもビザ(在留資格)を取得させるのです。永住権を取得した後に、フィリピン人女性が日本人男性と再婚することは通常は先ずありません。長年この入管業務の仕事に携わっていますが永住者のフィリピン人が日本人と再婚した事例を私は知りません。
 彼らはフィリピン人夫婦同士で日本で楽しく共稼ぎして暮らしたいのです。そして、日本で稼げるだけ稼いで、その稼いだお金でフィリピンに家を購入したり賃貸アパートを建てたり不動産経営したり、車を購入して親族に商売をさせたり、そして老後はフィリピンでのんびり暮らそうと考えています。日本で働けばフィリピンに帰国して夫婦共稼ぎするより10倍以上は稼げます。永住者のフィリピン人女性がフィリピン人と再婚してフィリピン生活することはありません。つまりフィリピン人女性にとって日本人との結婚は、謂わば、彼等が幸せを掴むワンステップであると定義しても過言ではありません。日本人は踏み台にされていると嘆く人もいます。あるフィリピン人女性ですが、永住権を取得した翌日に日本人夫と離婚して、日本人との間に設けた子供たちの親権も放棄して、日本にオーバーステイしているフィリピン人男性と結婚し、再婚後に入国管理局に出頭して、そのフィリピン人男性の在留特別許可を願い出た事例もあります。つまり、「永住者の私がオーバーステイのフィリピン人男性と結婚したので、夫にもビザを出して下さい。」と、出頭したのです。そしてそのフィリピン人夫のビザは認められました(在留特別許可)。
 日本人と離婚した永住者のフィリピン人女性の再婚相手が日本に不法残留しているフィリピン男性とは限りません。最近は、日本に不法滞在しているイラン人やパキスタン人とも再婚しています。勿論(もちろん)、離婚後にフィリピンで再婚してフィリピン人の夫を日本に呼び寄せているケースも多くあります。このような場合、経験から申しあげれば、日本人と離婚する以前に既にフィリピン人との再婚を考えている場合が多いのです。

(7 離婚と子の親権)
 フィリピン人妻が日本人と離婚すればビザが失う場合がありますが、永住権を取得していれば引き続き在留できます。しかし、未だ「永住者」でないフィリピン人妻が離婚すると在留資格を失う場合があります。ただ、日本人との間に既に子を設けており、離婚するにあたり子の親権を母と定めてフィリピン人女性が自ら日本国籍の子を養育する場合は法務大臣(入国管理局)は「定住者」としての在留資格を認める場合が一般的です。
 フィリピン人はこのことをよく知っています。永住者でないフィリピン人が離婚するときは必ず子の親権を取ろうとします。親権をもらえば「定住者」として引き続き日本での在留が認められるからです。多くの日本人の男性は子の親権を手放します。特に、サラリーマンなどの場合。乳飲み子や幼児を抱えて会社に通勤することなどできません。ほとんどの場合、日本人の男性は子の親権を放棄しています。
 ところが、「定住者」の在留資格を取得した途端に、本来日本で養育すべき子をフィリピン国に連れて行き、そのまま日本人の子をフィリピンの現地に置いて来るケースが多いのです。つまり、日本で働くのに子は邪魔で日本で養育するとお金もかかるとの理由でフィリピンの実家(親元)に置いて来るのです。可哀相なのは日本国籍の子供です。このように子がビザ取得のための材料にされているケースが驚くほど多くあります。
 更に、前項の「永住権と離婚」で申しあげましたように、そのフィリピン人女性がフィリピン人男性と再婚して、二人だけで日本で共稼ぎをして暮らすという事例が数多くあります。日本人の子はそのままフィリピンに置き去りです。もっと、露骨な例もあります。日本人の子をフィリピンに置いたままにして、再婚したフィリピン人夫婦が二人で日本で暮らし、そのフィリピン人夫婦の間にフィリピン国籍の子が生まれ、その子は自分たち二人の実子だからその子は日本で育てるという事例も多くあります。日本国籍の子は依然フィリピンに置き去りにされたままで、そんなフィリピン人の親子だけが日本で暮らすという都合のよいことが罷り通っています。これまでそのような事例を数多く見ています。これが日本人との結婚を考えるフィリピン人の実態であり本音です。
 大きな問題があります。フィリピン人と結婚した日本人は離婚するケースが驚くほど多いのですが、申しあげましたように日本人との離婚後、フィリピン人女性はビザ(在留資格)を失う場合も多いのです。ですが、多くのフィリピン人はビザが切れる前にフィリピンに帰国しようとはいたしません。その殆どがオーバーステイ(不法残留)して不法就労し続けます。そして不法残留中に別な日本人の男性と再婚してまたビザ(日本人の配偶者等の在留資格)を取得しようとします。
 フィリピン人女性と離婚した日本人男性の多くが、「離婚したからもう関係ない。フィリピンに帰ろうが日本にオーバーステイしようが関係ない。後は野となれ山となれ。」という態度です。このような無責任な男たちのために日本国内にフィリピン人のオーバーステイが異常に増えているのです。

(8 フィリピンでの商売と投資話)
 フィリピン人と親密な関係になると、よく現地フィリピンでの商売や投資話を持ちかけられます。フィリピン人と結婚した場合は先ず現地での家の購入話が浮上しますが、その他に商売や投資話を持ちかけられることが屡々(しばしば)あります。
 結論から申しあげれば、一般人はフィリピンに資金を持ち込んで商売すべきではありません。大企業は別にして普通の日本人は投資はすべきでないと思います。商売するにしても結局はフィリピン人とその親族が実質的に経営するのであり、そんな親族はそもそも知識もビジネス経験がありません。商売を始めて利益が出る筈がありません。開業資金を拠出させられて、その後は赤字だと言われてどんどん追加資金を要求されて挙句の果てに倒産や閉店に追い込まれるだけです。それが現実です。
 もともとダンサーとかの「興行」の在留資格でフィリピンパブで踊っていた女性が事業を始めて成功するなど考えられません。また資金を提供して開業しても日本にいて売上げ管理できる筈がありません。実は、開業資金が本当にいくらかかったのかも実態が掴めない場合が多いのです。開業資金からして不当にお金を請求されている場合が多いのです。フィリピン人同士は普段はタガログ語で会話しているのですから仮に日本人が現地に常駐しているとしても本当の仕入れ価格すら分からないのが実情です。
 こんな話があります。ある日本人がフィリピン人の妻と二人で現地で15名ほどの従業員を雇用して洋服の縫製工場を経営していました。勿論(もちろん)工場や縫製用ミシンなどの設備の全額を日本人が負担しました。その工場は僅か2年で倒産しました。倒産後に判明したことですが、妻とその家族の経理係が従業員の給与の50パーセント近くをピンハネしていたのです。正確に申しあげれば、従業員には本来の給料の2倍を支払い、その半分を妻とその親族にキックバックさせていたのです。それが雇用条件だったのです。フィリピン人の従業員たちは雇って欲しいためにその条件に同意して給料を半分フィリピン人妻に返還していたのです。
 考えられないことですが、夫婦で事業を成功させるという気持ちなどさらさらなく、妻でありながら如何にして夫の日本人からお金を取るかに腐心している場合があります。その方が手っ取り早くお金を入手できるからです。繰り返し申しあげますが、もともとビジネス経験など皆無な人達なのですから、商売をして利益とか儲けを出せないのは本人たちが一番自覚している筈です。ですから、商売している間にできるだけ沢山のお金を日本人夫から取ろうと画策するのです。
 一昔前なら雑貨屋(サリサリストアー)かジプニー(乗り合いの小型バス)の開業、最近ではインターネットカフェなどの開業資金を拠出して欲しいと求められるようです。商売を始めれば殆どの場合、フィリピン人は必ず身内を従業員に採用して欲しいと言い出します。これでは慣れ合いのダラダラした家族経営の域を出ない商売をすることになります。仮に商売が失敗しても自分たちのお金で始めた訳でもありませんから平然としています。
 これも一昔前の話ですが、「マクドナルドのフランチャイズの権利」が2000万円で買えるとの投資話しがよくありました。
 繁盛しているマニラ市街のマクドナルドの店舗を案内されて、そして次に豪華な邸宅に招待されて商談をすすめる話がありました。邸宅にはプールがありベンツなどの高級車が並び何人ものメイドもいたそうです。招待された日本人はすっかり相手のフィリピン人をやり手の実業家と思い込んで、とりあえず1000万円渡したそうです。ところが、その直後、パッタリと連絡が取れなくなりました。慌てた日本人はフィリピン人のあの豪邸を訪れたところ既に空き家でした。その住まいは1週間だけレンタルされた高級住宅だったのです。フィリピンではこのような1週間単位で借りられる家具付きの住宅やマンションがあります。そこが相手の自宅だと思って信用すると大変な事態を招くことになります。
恐らく、ベンツなどもレンタカーでメイド達もエキストラだったに違いありません。
 随分前の話ですが、私も一度経験したことがあります。現地でレストラン共同経営の投資話を持ちかけて来たフィリピン人の男でした。現在所有するレストランのひとつを改装して共同経営しないかと持ちかけて来ました。その男は立派な出で立ちで秘書を伴ってホテルのロビーに現れました。腕には金無垢の高級時計そして金張りのカルティエのライターを持っていました。靴はピカピカの皮靴でした。その男は徐(おもむろ)に「私と一緒にやりたい日本人が何人もいる。最初に契約して頭金(ダウンペイメント)を入れた人とレストラン経営したい。」と、頻りに急かす態度でした。
 そこで私は、相手のフィリピン人男性に対して「先ず、貴方のID(身分証明書)を提示して欲しい。コピーしていいですか? 現住所を教えて欲しい。貴方が経営する会社の所在地を教えて欲しい。そして、あなたの取引銀行を教えて欲しい。これらを私の顧問弁護士にチェックしてもらいます。明日ここに弁護士を呼ぶから明日もう一度来て欲しい。そして、私と弁護士とあなたと一緒に役所に行って、そこであなたの納税証明書をもらいに行きましょう。」と、言いました。するとその男は二度と現れませんでした。
 フィリピンでは、金無垢の腕時計も金張りのライターもレンタルしています。ブランド品を身につけているからと言って相手の持ち物に惑わされて騙されないように。
 最近の話です。ある方にフィリピンの人材派遣会社の株を取得しないかとの話がありました。この人材派遣会社ですが、今後は日本に対しても人材を派遣する予定であるとの触れ込みでした。安い労働力を日本に提供できるとの宣伝文句に惹かれてこの話に乗ったようです。これは現地の日本人の口利きで始まった投資話でしたが、私がその英文の契約書を読んだ限りでは投資後(現地法人の株の取得後)も現在のフィリピン人経営者が思いのままに会社を動かせる内容でした。
 こんなことを断定的に言えば、怒られそうですが、フィリピン人そしてフィリピン人と結婚してフィリピン現地に住んでいる日本人が持ちかけてくる儲け話には気をつけることです。詐欺的で胡散臭い話も多いのです。
 この当事者が私の事務所に相談にお越しになったのは、フィリピンに持ち込んだその1000万円の現金をマニラ空港の税関で没収され、それで取り戻すにはどうしたらよいかとの相談でした。私は、現地の事情に詳しい者を紹介したのですが、それでも結局は1000万円の50パーセントは税関の役人に取られたようです。最近、マニラ空港での現金没収事件が頻発しています。100万円以上の現金の持ち込みは必ず申告しなくてはなりません。申告しなければ犯罪になります。逮捕されて約2000万円全額没収された者もいます。ご注意下さい。申告すれば、今度はそれが空港内部から外部に内通されて空港から目的に行くまでの路上でピストル強盗に出遭う場合も予想されます。これがフィリピンなのです。日本人がいちばんの獲物です。とに角、多額の現金は持ち込まないことです。

(9 子の連れ去り)
 フィリピン人妻が日本での生活に不満を持ち始めると、或る日突然、日本人との間に設けた子を連れてフィリピンに帰国することがあります。夫に無断で子を連れてフィリピンに帰国するのです。帰宅したら妻子がおらずも抜けの殼だった。これは希なケースではありません。本当によくあることなのです。
 子を連れ去るには概ね二つのパターンに大別できます。ひとつは、子をフィリピンの実家に置いてきて、フィリピン人妻本人は日本に舞い戻り、夫と連絡を絶って(別居して)働き始めるケースです。勿論(もちろん)フィリピンの家族に送金するためです。この場合、日本人夫と別居しているので将来ビザが更新できなくなります。このとき、子の存在を前面に出して「私は日本国籍の子を養育している!」と主張します。可哀相そうなのは日本国籍の子供です。ビザを取るための材料にされるのです。また、こんな屁理屈をこねる者もいます。「フィリピンにいれば英語を話せるようになる。」と。
 もうひとつは、子を連れて行ったままフィリピン人妻自身も帰国せず、日本にいる夫に送金を要求し続けるケースです。経験から申しあげれば、前者は日本人夫に経済力がない場合が多く、後者は日本人夫に経済力がある場合が多いと思われます。黙ってしかも勝手に子をフィリピンに連れ去りながら、現地のフィリピン弁護士を経由して「どうして妻子に生活費を送金しないのだ!毎月○○万円送金するように!」との英文の督促状を送りつけて来たフィリピン人妻もおります。
 数年前になりますが、突然に一人っ子を連れ去られた日本人男性がいました。日本人の職業は群馬県の開業医です。子はもう直ぐ4歳になる頃でした。日本人の医師は前年に開業したばかりでした。そんな大事な時期に、或る日、仕事から戻ると自宅の様子に異変を感じて慌てました。と言うのも、その数日前に「子どものパスポートがない!隠したの!」とフィリピン人妻が騒いで茶碗やコップを投げつけて暴れたからです。医師は、このとき既に何か嫌な予感があったと語っていました。
 もともとこのフィリピン人女性はタレント崩れでオーバーステイしていました。この医師とはフィリピンパブで出会い、結婚することに拠り在留特別許可されてビザ(在留資格)を取得していたものです。ですが、親族全員が医師である夫との家庭生活に馴染めず、遂に計画的に子をフィリピンに連れ去りました。先ず、幼稚園を訪れて子を早退させて連れ帰りました。近所の人たちの目撃証言では、数人のフィリピン人女性が2台のタクシーに荷物を運び込んでいたようです。どうも自宅からタクシーで成田空港に向かい出国したようです。数日前に「子供のパスポートを渡せ!」と、暴れたのは既にフィリピン行きのチケットを購入していたからです。
 日本の入国管理局に自分の妻が出国したかどうか尋ねても教えてくれません。医師は本当に困って子を思うあまり疲労困憊していました。それで私の事務所を訪ねました。そして、私が現地の弁護士に依頼してフィリピン国における出入国を調べたところ子と一緒にフィリピンに入国した事実を確認しました。
 子は日本国籍ですが、フィリピン国内にいるときは母親の親権が強く働きます。自分の子であり日本国籍だからと言って父親である日本人が強引に連れて帰ることはできません。
 結局、この事件は子を取り戻すための裁判となり結審するまで約1年6ヵ月かかりました。日本人医師は毎月のようにフィリピン国を訪れて子と面会したり出廷しました。子供に合うにも裁判所の職員の立会いが必要です。出廷の度に通訳を雇わなければなりません。フィリピン国では出廷の度に弁護士に別途出廷費用を支払わなければなりません。
 諸々の費用を合計するとこの日本人医師は子を取り返すために約900万円のお金を使いました。その内訳ですが、500万円以上がフィリピン人妻から子を引き取るための示談金でした。まるで人質に取られた息子を返してもらうための身代金です。現地の500万円は日本での5000万円以上の価値があります。マニラ郊外に立派な庭付きの新築住宅が購入できます。
 この事案では、フィリピン人女性は子を渡す条件として500万円に加えて、いつでも日本に渡航したいときにビザ発給の保証人になることを医師に要求しました。医師は仕方なくこの条件を受け入れました。
 医師にすれば、どうしても大事な一人息子を将来医者にしたい親としての夢があったのだと思います。そのためには幼い頃からそれなりの教育を受けさせなければなりません。このままでは日本語すら忘れてしまう。そこにつけ込んで、フィリピンに連れて帰り金員を要求し始めたのです。勿論(もちろん)、子を取り返すと同時に離婚手続きにも着手しました。
 裁判を申し立てる前の私どもの調査で、このフィリピン女性はタレントとして日本に入国して不法残留する前に、現地で年上の妻帯者のフィリピン人男性と不倫をして一児を設けていたことが判明しました。更には、日本人医師と結婚した後も、ずっとそのフィリピン人男性と連絡を取り続けていたことも分かりました。日本人医師は結婚後に、フィリピン在住の妻の家族に立派な住宅の賃貸借契約をして住まわせ、電化製品などの生活必需品の全てを取り揃えて快適な暮らしができるように、更に毎月送金の便宜を計っていましたが、結局は恩を仇で返されたような結果になってしまいました。
 ここにフィリピン人と日本人の考え方の相違があります。日本人ならば子の将来のためにも堅苦しい生活でも安定していれば我慢して暮らせばよいと考えます。ですが彼らは違います。目前の利益を選ぶ傾向が強いのです。まとまったお金が入れば働かないでフィリピンで楽しい生活ができる。素敵なフィリピン人のボーイフレンドもできる。と、段々と想像を膨らませます。
 他の項目の(6 永住権と離婚)そして(7 離婚と子の親権)中で申しあげた内容と関連しますが、フィリピン人の本音は「最後には日本人を外してフィリピン人同士だけでうまくやりたいフィリピン人だけで幸せになりたいそれまでは日本人に我慢する。」この心情がフィリピン人の根底に常にあります。フィリピン人と接するときにはこのことをお忘れないように。相当以前ですが、或るフィリピン人が私にそう教えてくれました。この公式をあてはめるとフィリピン人の矛盾するような行動や言葉の目論見(もくろみ)がはっきりと見えてきます。
 昔からフィリピンの現地では日本人宅に泥棒が侵入したりして品を強奪されたり、両替商からの帰路など車中にいて強盗団に襲われて日本人が射殺されたりする事件がありますが、それでもフィリピン人の奥さんや恋人は殆どの場合、軽傷か無傷です。なぜでしょう?
 さて、医師は500万円渡したものの本件のような場合、何年かしてフィリピン人女性はお金を使い果たすケースが多く、お金がなくなると今度は「私は日本国籍の子の母親!」だと主張して日本に定住するビサを申請したり、日本に入国して、再度、子に近づいて来ることが多いのです。

(10 お金の持ち逃げ)
 例えば、いま交際している日本人と結婚して真面目に暮らせば生涯お金で苦労することはないし、現在よりも安定した良い生活が出来ると分かっていても、目の前にある日本人の100万円を拝借して行方を眩(くら)ませる者が多くいます。フィリピン現地でこのような被害に遭った日本人は枚挙に暇がありません。極論ですが、フィリピン現地に長期間滞在していて日本人は必ず金銭的の被害に遭っていると断言しても差し支えないでしょう。なにしろ100万円は現地では日本での1000万円以上の価値があります。
 実話ですが、現地で買い物に行くのに僅か15分だけホテルの部屋を空けた隙にお金がなくなっていた。部屋に帰ったら400万円のお金とフィリピン人の恋人も消えていたという事例もあります。こんな話は珍しくありません。通常はホテルのフロントのセフティーボックスに預けていたのですが、このときはそれが面倒で10分間だけならと思い部屋のベッドの下に隠して外出したそうです。相手はデートを重ねながら数ヶ月間かけて虎視耽々とその機会を狙っていたのです。
 想い返せば、それまで何度も「フィリピンの銀行は危ないし信用できない。お金はホテルの部屋に置いていた方が安全よ。」と繰り返し話したそうです。後の祭りです。
 更に別の話ですが、フィリピン現地の日系の旅行会社であった実話です。採用して3年目の現地採用の男性社員に250万円相当のドルを託してドル円からペソ通貨への両替を頼んで銀行に行かせたところ2時間経っても会社に戻って来ず、それで銀行に電話したところ「1時間以上も前に両替して帰りましたよ。」との回答でした。慌てた会社のスタッフはそのフィリピン人社員の自宅に直ちに直行したところ、自宅はも抜けの空だったそうです。家財道具を置いたまま家族全員消えていたそうです。近所の人たちの話では妻子を連れて慌ただしく出ていったそうです。家財道具一式でもせいぜい価値は10万円程度。だからそれらを捨てても惜しくはなかったのです。
 それまでに50万円とか100万円程度の両替は何度かさせていたのですが事故もなく問題もなかったのです。ところが250万円という金額を手にして遂に持ち逃げを実行したのです。この男も機会が到来するのを虎視耽々と狙っていたのです。因(ちなみに)に、フィリピンではお金を騙し取られたと警察に申し出ても無駄です。お金が戻ることは殆どありません。或るフィリピン人が次のように語りました。「犯人を見つけたら警察が全部取るか犯人と山分けする。警察に相談してもダメ。」取られた相手が日本人なら余計にお金は戻りません。
 日本国内でもこんな話があります。私が結婚ビザのお手伝いをしたお客様です。フィリピン人女性と結婚して長野県の地元でスーパーを経営している方でした。「妻にレジを任せると必ず5千円とか1万円とか現金が不足する。何でなんでしょうか?」と質問されました。私は答えに窮しました。
 これもビザのお手伝いしたお客様からの実話です。息子さんが不法残留していたフィリピン人女性と結婚して、その息子夫婦と同居していた母親の話です。「夫に内緒で積み立てていた郵便局の簡易保険400万円が満期になったので、押し入れの布団の間に400万円を隠して置いたのですが、或る日一束(100万円)無くなっていた。どうしようかと思案していたらその二日後にまた一束無くなっていた。夫も息子も仕事に行っておらず、私が買い物に出た少しの時間でした。家の恥を曝すようで警察にも届けられず困っています。」相談された私は「外から入って来た泥棒なら400万円全部盗んだでしょうね。」としか答えられませんでした。この母親は息子の嫁がフィリピンでどのような家庭環境で育ったかを調べて欲しいとの依頼で事務所にお越しになりました。

(番外編 日本人の死亡事故)
 はっきりとした統計的な客観的な数字は持っていませんが、マスコミなどで報道される事件事故を見る限りでは、アジア諸国で事件事故などで日本人がいちばん死亡している国はフィリピンだと思います。
 タルラック州では2008年の春と夏で二人の日本人が殺されています。ひとりは路上で二人組のフィリピン人に携帯電話を出せと言われて抵抗したので射殺されました。そばにフィリピン人の奥さんがいたのですが掠り傷だったそうです。殆どの場合、日本人男性が射殺された過去の事件では、近くにいたフィリピン人妻は無傷か軽傷です。もう一人は自宅にいたところを強盗に入られて殺害されています。10万円ほどの現金がなくなり使用人のメイドが行方不明とのことです。
 路上で射殺された前者の事件に関しては疑問が残ります。現地では泥棒や殺人が横行しているとはいえ、いくらなんでも携帯電話一台を強奪するために殺人をするとはどうしても思えません。この事件はテレビでも報じられましたが、このニュースを観たというフィリピン人は私にこう言いました。「この日本人は多分フィリピンに家を買おうとしてフィリピンの銀行に沢山貯金があったかライフ・インシュアランス(生命保険)に加入していたのでは? だから殺されたのでは? フィリピン人もバカではないよ。携帯電話一台を盗るだけで人は殺さないよ。」以前は、比較的体力のない高齢者の日本人が小金を狙われて殺害されたのですが、最近は30代40代の日本人男性が殺されています。
 この文章の草稿中に新潟県の日本人男性から電話がありました。「最近、日本にオーバーステイしていた子持ちのフィリピン人女性と結婚したのですが、結婚して直ぐに生命保険に入って欲しいと言われました。妻の話では結婚したらフィリピンでは生命保険に加入するのが当たり前らしいのですが。本当でしょうか?」との内容でした。私は「そんなことは絶対にありません。結婚して直ぐに妻を受取人に生命保険に加入するフィリピン人男性はいないですよ。結婚直後に生命保険の加入を言い出すのは変ですよ。」と回答しました。
 最近の日本人男性の生命保険の加入額の平均は病気死亡1500万円で災害死亡3000万円の保険金のようです。これは外国で死亡した場合にも受取人か法定相続人に支払われます。一般のサラリーマンであれば個人加入の他に会社での団体保険などにも加入していますから、災害の死亡事故で受け取る保険金は概ね4000万円以上になると推定されます。これをフィリピンにおける価値に換算すると5億円以上になります。もし、フィリピン人妻が死亡保険金の受取人であれば、現地の貨幣価値で約5億円ほどのお金を受け取れることになります。5億円手にできるとなれば妄想も邪念も生じます。普通なら遺族年金も支給されます。私はここで保険に加入するなと申しあげているのではありません。私なら被保険者となり多額の生命保険に加入してフィリピン国に渡航することはしません。察していただければ本望です。
 後者の場合は自宅で殺害された事件ですが、このように現地では使用人が強盗を手引きする例が多いのです。くれぐれもご注意下さい。もしかしたら、もっとお金があると期待して数百万円は自宅にあると強盗殺人に及んだのかも知れません。
 よく現地のホテルやレストランで目撃するのですが、札束でパンパンに膨れた財布の中をこれ観よがしに見せびらかして会計している日本人がいます。これではまるで「オレは金を持っている。オレを襲ってくれ。オレを狙ってくれ。」と公言しているのと同じです。それを見ているレストランのウエイトレスやレジ係たちだけでなく、連れ歩いている恋人のフィリピン人女性にも不穏な気持ちを抱かせることになります。現地ではアメリカ人や中国人そして韓国人たちは札束でパンパンに膨れた財布など人前で絶対に出しません。ジーパンのポケットに数ドル程度のペソ紙幣を小分けして外出しています。

− 追記 −
騙される日本人も軽率
(その1)
 フィリピン在住の女性から「あなたの子を妊娠した。」と告白されて、その女性に結婚前にフィリピンに家を購入した事例です。家の価格は250万ペソ(日本円で500万円相当)で40歳前後の日本人のIT企業に勤務している男性でした。仕事が超多忙で結婚手続きのためにフィリピンに渡航もできない状況でした。会社から数日間の有給休暇がもらえない状況でした。
 結婚しないまま子が生まれれば子は日本国籍を取得できないので、日本人のお客様からは、取り敢えず胎児認知の届出をして出生とともに日本国籍を取得できる手続きをして欲しいとの申し出がありました。私の事務所も現地の提携事務所と準備をすすめておりました。そして、出産予定日まであと2週間に迫り、フィリピン現地の提携事務所に胎児認知の書類を準備していました。あとは現地の事務所に来てもらい署名するだけの段階でしたが、約束の当日にその女性は現れませんでした。
 更にその日以降、日本人の男性とは約2ヶ月以上連絡を絶ちました。ところが或る日、フィリピンのその女性に電話したところ、突然、携帯電話が繋がったのです。すると女性は「子どもは2ヵ月ほど前に生まれた。親戚の家の近くの病院で子を産んだ。」「携帯電話を忘れたので連絡できなかった。」と告げられたそうです。携帯電話を忘れたから電話できなかった? 子どもが生まれたのに2ヶ月間以上も連絡してこない? 家まで買ってあげたのに? 普通人なら当然、このような疑問を抱く訳ですが、その日本人男性は子が生まれたと聞いて更に100万円送金しました。私は追加の送金の話を聞いて唖然(あぜん)としました。その女性は帝王切開したと言ったそうです。帝王切開は現地では10万円もしません。
 私どもの現地のスタッフの話では、「あの女性が私たちの事務所に書類に署名に来ると言っていた時点で、多分、子は生まれていたのでしょう。だから、事務所に来るともう妊娠していないのが発覚するのでアポイントをスッポかして現れなかったのです。つまり、生まれた子の父親は日本人ではないのです。」と、推測していました。それよりも家までプレゼントしているのに子が生まれて2ヵ月以上も連絡して来ない女性に更に100万円送金したという日本人男性の神経を疑いたくなりました。
 バカバカしい話しだと思ってはいけません。こんな日本人が実に多いのです。騙されても騙されてもお金を送り続けている日本人男性が大勢います。「いつかきっと自分の誠意に気づいてくれて、改心して自分の方に向いてくれる。」と信じて、簡単な嘘に乗せられて言われるままにフィリピンに送金し続けている日本人が大勢います。懸命に働いて、送金を続けている日本人が大勢います。相手が日本人の女性ならいつかは誠意も通じるかも知れませんが...。見兼ねて忠告すると、そんな人の中には「騙されてもいいんだ!」と、訳の分からないことを言い出す人もいます。相手のフィリピン人にしてみれば「日本人は何てバカなんだ。」と、腹を抱えて笑い転げている筈です。なにしろ騙されても騙されてもお金を送金してくる日本人ですから。
 このような日本人男性は周囲の人たちのアドバイスなどに決して耳を傾けようとはしません、まるでオカルト的な新興宗教に嵌まったような精神状態なのです。相当以前になりますが、仕事で或る町金融に勤める人間から聞いた言葉を思い起こします。「サラ金でお金を借りるような人の多くは懲りないのです。破産するまで懲りないのですよ。」こんな言葉と結びつけるのは不適切かも知れませんが、そして残念なことですが、フィリピン人女性にお金を全部つぎ込んで借金で首が回らなくまで現実を認識できない日本人男性が多いのです。
 ついでに申しあげれば、結婚するから或いは結婚したからと言って20歳代や30歳代の女性にいきなり家などプレゼントするものではありません。買ってもらった本人の人生観に狂いが生じ相手のフィリピン人家族もまた常軌を逸した過度の期待をします。これからの結婚生活を破壊する行為です。フィリピン人に限って申しあげれば、どんどんお金を出す気前のよい日本人は軽く見られてバカにします。決して感謝されません。簡単にお金を出さない中国人や韓国人のような男が堅実でしっかりしていると尊敬されるのです。お金を要求され嫌われたくないとかの理由でお金を出すのは愚の骨頂です。そんなことで離れる女性なら結婚してもうまく行きません。
 国際結婚が成功するポイントのひとつは結婚する相手の生活レベルがお互いに同等であることだとよく言われます。フィリピン人と結婚する場合、それは難しいかも知れません。しかし、最低限相手の普段の生活の実態や近所の評判ぐらいは知っておくべきです。そのための実態調査や身元調査をしておくべきだと思慮します。
それから実態調査や身元調査の費用がもったいないとか高額で支払えないと言う方もいらっしゃいますが、敢えて言わせていただければ調査費用も捻出できない経済状態の人は国際結婚してもうまく行かないと思います。

(その2)
 最近の相談例を紹介します。埼玉県在住の60歳前後の男性でした。近所に住むフィリピン人女性の家族に多額のお金を融通しているのだが、いつ返済するとも言わず、どうしたらよいのか困っているとの内容でした。
 近所に愛想のよいフィリピン人女性がおり、日頃から感じのいい娘だと思い、当初は挨拶(あいさつ)程度の関係でしたが、それから段々と親しく話をするようになり始めたのですが、或る日、突然、フィリピンの自宅の権利書を渡すから、それを担保に「400万円貸して欲しい。」と言われて400万円貸した。「そのときわざわざ彼女の母親が自宅の権利書を持参してフィリピンから日本に来てくれたんです。」と、語り始めました。
 その男性の話をよく聞くと、その後フィリピンで商売をやりたいと言うのでマニラ市街で店舗を借りて出店するための資金として300万円融通し、更にその女性の弟が中古のダンプカーを購入して仕事をしたいというので更に300万円渡し、計1000万円のお金を拠出したと吐露しました。
 ところが、先日、その近所のフィリピン人女性から「弟は生活苦のためにダンプカーを売ったらしいの。」と聞かされて、その日本人は一言の相談もなくダンプカーを売却したことに立腹して、売却金額の返還を求めたところ「家に泥棒に入られてお金は全部盗まれてお金は返せない。」と返答したとのことです。
 私は、一通り話を聞いてから日本人の相談者に質問したのですが、案の定、お金を渡すにあたり「借用書」のような文書は一切交わしていませんでした。このような被害者に共通していることはお金を貸すにあたり「借用書」を交わしておらず信用貸しをしていることです。もっとも「借用書」を交わして200万円を渡した翌日にフィリピンに出国してそのまま行方知れずになった事例もあります。
 この日本人は400万円を貸すにあたり、フィリピン国の家の権利書を預かったと説明して私に見せたのですが、それはなんと1枚のペラペラの紙で、しかも DUPLICATE(副本・写し)と記載されていました。ORIGINAL(原本)ではありませんでした。そもそもフィリピン国の不動産の権利書など見たこともなく更には英語も堪能でもないのに、英文の紙切れ一枚を見せられて400万円も渡すこと次第が軽率です。「あなたはフィリピンに行ってその融資対象の物件を見なかったのですか?」の問いに、「ええ、でも家の写真は見せてもらいました。」との回答でした。ただ唖然(あぜん)とするばかりでした。
 更に聞けば、相談者は出資して出店したマニラの店舗に訪れたことはなく店舗の写真だけ見せられ、中古のダンプカーの売買契約書も見ておらず、これも写真だけ見せられ、つまりフィリピンには一度も渡航しておらず、写真だけ見せられてすべてがフィリピン人女性の口先の話だけですべてが順調に進行していると勝手に解釈して得していたのです。
 私は、手元の権利書と称するものが一円の価値のないものだと切り出して、「フィリピンの店舗も本当に出店したのかどうか? 果たして中古のダンプカーも本当に購入したのかどうか? 何の証拠もない。すべて作り話ではありませんか? 騙されたのではありませんか? 私の方で現地の弁護士に依頼して事実関係を調査をしますから、それを資料として現地の裁判所に貸金請求の申し立てをしてはいかがでしょう。」と提案したところ、その相談者の日本人男性は私に対して烈火の如く怒り出しました。「あの人達は、私を騙すような人達ではない! みんないい人だ! なんだお前は! もう結構だ!」と、吐き捨てて事務所から出て行きました。
 私は平常心でした。いつものことでした。フィリピン人にお金を騙し取られる人に共通している傾向ですが、フィリピン人の言葉を安易に信用するのに、一方で日本人の言葉を信用しないのです。フィリピン人には1000万円もお金を渡しているのに、それを取り戻すための調査費用や裁判費用を出し渋る日本人は本当に大勢います。なんとかお金を使わず(フィリピンの弁護士に依頼せず・裁判に訴えず)相手を説得させてお金を取り戻したいと事態を安易に考えている者が多いのです。
 ちなみに、騙そうとするフィリピン人は言葉巧みに「借用書」を交わすことを避けますが、もうひとつ銀行振込をすることも嫌います。証拠が残るからです。いままで被害者の殆どは銀行振込をせず、直接、現金を手渡しています。国内であれ海外であれ手数料が多少かかっても銀行振込で送金することが肝心です。
 「フィリピンにドルの銀行口座がないので現金で渡して欲しい。」とか「私でなく叔父さんの口座に送金して欲しい。」と言う口実も聞きますが、ドル口座すら開設していない者は事業などする資格もありません。海外送金には相手の住所や電話番号も必要ですから、最低限、住所や電話番号を確認する意味でも送金の事実を証拠として残すためにも銀行を経由した送金が大切です。でも、最良の策はお金は貸さないこと。出資などしないことです。日本円で1000万円や2000万円程度のお金を言葉巧みに騙し取られている事例は珍しくありません。と言うより、私が知る限りでも相当な数の事例があります。或る上場会社勤務の48歳の男性はフィリピンで結婚したので現地に自宅を購入したりして結婚して数年間で3000万円近く手渡していましたが、「パスポートが作れない。」とか色々理由をつけて日本に来ないので変だと思い私どもに身元調査を依頼されて実態を調査したところ、そのフィリピン人女性は重婚しており、依頼者が驚いたことにもう一人の結婚相手も日本人だと判明しました。

 


宇波行政書士事務所
〒108-0075
東京都港区港南 2-3-26-401

TEL. (03)-5782-8816
FAX. (03)-5460-0201



visa-office@mvg.biglobe.ne.jp
 
Copyright(C) 2000-2008 VISA OFFICE TOKYO All rights reserved
掲載内容の無断転載を禁ずる。