最終更新: 2008/11/20 23:07

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割りばし事故医療過誤事件控訴審 業務上過失致死に問われた医師に無罪判決 東京高裁

東京・杉並区で1999年、のどに割りばしが刺さった当時4歳の男の子が病院で受診後に死亡した事故をめぐって、業務上過失致死に問われていた医師に対し、東京高裁は、1審に続き、無罪を言い渡した。
この事故は1999年7月、杉野隼三ちゃん(当時4)が綿あめを口に入れたまま転倒し、割りばしがのどに刺さり、杏林大学付属病院で診察を受けた翌日に死亡した。
診察した医師は、脳の中に残っていたおよそ8cmの割りばしの破片に気づかず、化膿(かのう)止めを塗っただけで、隼三ちゃんを帰宅させていた。
この事故の責任をめぐって、診察した医師・根本英樹被告(40)は業務上過失致死の罪に問われてた。
2006年3月の1審では、「頭蓋(ずがい)骨の中の傷を想定して、CT検査などをするべきだった」と、医師の過失は認めたものの、「正しく判断できたとしても、命を救うことは困難だった」と無罪判決が言い渡され、検察側が控訴していた。
そして20日、東京高裁は「本件控訴を棄却する」と検察側の控訴を棄却し、あらためて無罪を言い渡した。
また裁判長は、1審が認めた医師の過失についても、「被告人には、頭蓋内損傷を疑って、これを確認すべき注意義務があるとは言えない」として、医師に過失はなかったと結論づけた。
20日の判決に、隼三ちゃんの母・杉野文栄さんは「治療が不十分なものであったことを認めてくださることを祈って、それだけを信じて傍聴を続けてきました。注意義務違反も含めて、今回なくなってしまったことが、本当に残念でなりません。今回も隼三に、裁判の結果について伝えることができない」と語った。
一方、無罪判決を受けた医師側の弁護士は、「本日の判決結果については、業務上の注意義務違反。過失そのもののを否定した裁判所の判断に感謝している」と語った。

(11/20 19:32)


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