群馬県教育委員会は19日、平成15年度の授業料が未納の中毛地域の県立高校元生徒と保護者に対し、来月にも前橋簡易裁判所に9万3300円の支払い督促を申し立てると発表した。授業料未納者に対して法的措置を執るのは県内初。今年度以降、未納額がピークだった16年度前後の債権時効(5年)が迫る。欠損は県財政から補填(ほてん)することになるため、県では悪質滞納者に納付意識を喚起していく方針だ。
県教委によると、督促対象は15年度の授業料が未納の元生徒。今月下旬に督促予告を送付し、来月中旬までに未納の場合は簡裁に支払い督促を申し立てる。異議申し立てがなければ、財産差し押さえなどの強制執行に踏み切る。
県は授業料の未納増加を受け、17年度に県立学校授業料等徴収条例を改正。長期未納者を出席停止などとする制度を導入したことで未納者は減少したが、卒業生や退学者への有効手段がなく、今年9月に法的措置の要綱を制定。6カ月以上未納の生徒や保護者のうち、支払い能力がありながら未納を続ける者には、督促を申し立てることになった。
授業料未納は16年度の約570万円をピークに減少。ただ、19年度決算見込みでも計65人の約267万5000円が未納。これまでに10人が完納、21万円余りを回収したが、多額の未納が残っている。
県教委の福島金夫教育長は「未納の授業料を払える方には、払っていただく。今回の措置により、納付の公平性を知らしめる必要がある」と強調した。
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