読売ウイークリー
皇太子さまに病状の説明をお願いしたい
2008年11月19日(水)0時0分配信 読売ウイークリー
掲載: 読売ウイークリー 2008年11月30日号
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関係者によると、体調には波があり、挑戦とその後の疲れの繰り返し。疲労で重要な行事に出られなくなることがないよう、医師に相談しながら行事を選んで臨まれているという。
雅子さまが長期静養に入られて12月でまる5年になる。9日の45歳の誕生日にあたって宮内庁の記者クラブが求めている医師団の記者会見は、今年も「患者と医師の信頼」に配慮して開かれず、例年と同様、書面による「見解」になるようだ。
担当記者にもなかなか判断がつかない現状は、一般にはなおさらわかりにくい。そのために説明は不可欠と思うのだが、宮内庁は「5年を節目に詳細な内容にする」と言うものの、いつものように言葉を選んでの説明になるのだろう。
病状と展望をきちんと肉声で説明できるのは、夫としてそばで支えられてきた皇太子さまをおいてない。5年を経た来年2月の誕生日会見では、ご自身の言葉で具体的な説明をしていただけないだろうか。生の声こそが説得力を持つ。
最近、知人たちの多くが「公務軽視」を口にし、皇室への厳しい目や距離感が感じられる。皇太子さまが「長い目で見守っていただきたい」と言われるなら、国民に向けた説明をお願いしたい。
(読売新聞編集委員 井上茂男)