2008.11.20 Web posted at:  14:42  JST Updated - AP
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副操縦士の精神変調で客室乗務員が着陸手助け カナダ機

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客室乗務員が副操縦士席に座って機長を助けたエア・カナダ

アイルランド・ダブリン(AP) エア・カナダの旅客機で今年1月、副操縦士が飛行中に精神に変調をきたし、代わりに客室乗務員が機長を助けてアイルランドの空港に緊急着陸していたことが分かった。アイルランドの航空事故捜査局が19日、調査報告書を公表した。

エア・カナダのボーイング767型機は乗客146人と乗員9人を乗せてカナダのトロントからロンドンに向かっていたが、離陸後に副操縦士(58)の言動がおかしくなった。大西洋上空に差し掛かるころには意味不明な発言や行動を繰り返すようになったため、これ以上職務を続けさせることはできないと機長が判断。客室乗務員数人を呼んで操縦室から退去させた。

副操縦士は乗り合わせた医師が診察して沈静化させた。動けないように腕と足を縛られていたという乗客の証言もある。

機長はその後、操縦士免許を持った乗客がいないかどうか探させた。乗客の中にはいなかったが、女性客室乗務員の1人が操縦士免許を持っていることが判明。この乗務員が副操縦士席に座って機長を助け、アイルランド西部のシャノン空港に無事着陸した。乗客乗員にけがはなかった。航空事故捜査局の報告書は、機長の判断とこの客室乗務員の腕前を絶賛している。

精神変調を起こした副操縦士は6500時間以上の飛行経験を持つベテランで、最近の健康診断をパスしたばかりだった。しかし機長の報告によれば、当日は出発前から様子がおかしかったという。アイルランドに到着後は現地の病院への入院を経て、救急輸送機でカナダに搬送された。

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