マラリアが休戦ラインを越えてやってくる(下)
◆実態を公開し、予防のための教育を実施せよ
北朝鮮を訪問する観光客は年間平均40万人から50万人に達する。金剛山への観光客だけで年間30万人を超え、昨年12月から始まった開城観光には月平均でおよそ1万人が訪れる。2005年以降、開城工業団地を訪問した人の数も22万4000人に達した。とりわけ開城など黄海道地域は、北朝鮮自らもマラリアの危険が最も高い地域として認めている。
それでも韓国政府はこれまで北朝鮮を訪問する観光客に対し、マラリア感染の危険性についての警告や、事前の教育を行っていなかった。開城観光や金剛山観光を実際に手掛けている現代峨山なども同様だ。
昨年3回、開城工業団地を訪れたサラリーマンのアン某さん(36)は、「蚊に注意せよとか、予防薬を飲めといったことは一度も聞いたことがない」と証言した。疾病管理本部も「事前の教育は行われていない」と明らかにした。
問題はごく最近まで、開城などの北朝鮮地域がマラリア感染の危険性が非常に高い地域であるという事実について、韓国政府が隠蔽(いんぺい)してきたのではないかとの疑惑が取り沙汰されているという点だ。
1993年当時、初めてマラリア患者を確認したソウル大学医学部の蔡鍾一(チェ・ジョンイル)教授は、「わたしは疾病管理本部からマラリアに関する諮問を受けているため、韓国から派遣され開城工業団地内の診療所に勤務する医師に対し、マラリア感染者の実態に関する統計資料を要請したが、断られた」「その医師が資料を公開できない理由には政治的な問題が存在していたからであり、盧武鉉政権では特にひどかった」と証言した。
この問題について疾病管理本部側は、「韓半島(朝鮮半島)で発病するマラリアは、熱帯性とは異なり薬で治療が可能な種類に属しているため、それほど深刻には考えていなかった」と説明している。
嘉泉医科大学の朴梓源(パク・ジェウォン)教授は、「毎年数千人がおよそ1週間ベッドで治療を受けなければならない状況だが、そのために必要な社会的費用について考えるべきだ。蚊に刺されないように注意するだけでも、発病の危険を減らすことができるため、政府はマラリアの実態をもっと積極的に国民に知らせなければならない」と指摘した。
李吉星(イ・ギルソン)記者
キム・ジンミョン記者
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