愛と青春と幻想のスクールカーストMAP
【スクールカーストMAP Ver.2006_0.01】
前回の記事で考えた、「趣味による差異化ゲーム」(他者承認)と「楽しむこと」(自己満足)は別物という概念。この概念でスクールカーストや脱オタを分析してみたら面白いことになるんじゃないかと思ったので、早速実行。
で、完成したのが↓のマップ(クリックで拡大)。
以下の文章で、このマップを解説。ネタ色強め。
【勝ち組 (趣味:ファッション・スポーツ等、モテ系)】
趣味の差異化ゲームで勝っていることで他者承認と優越感を得られるうえ、趣味をベタに楽しむこともできている、幸せかつオールマイティな羨ましい人達。スクールカーストAランク上位がこれに当たる。
特に何も考えず、好きなことがたまたまモテ系だった「天然組」と、デビュー・脱オタ等を駆使し、狙ってこの階層についた「人工組」が存在する。天然組の人は、親と神と社会に感謝しよう。
自己満足・他者承認共に満たされているので、「過剰適応者」とは異なり、わざわざ他者を攻撃して安心を得るような真似はしない。すべての「脱オタ」「デビュー」といった行動は、最終的にこの階層の住人なることを目標に行われる「上がり」の階層。そのため、この階層から他へ移行する矢印は存在しない。
【オタク (趣味:アニメ・ゲーム等、オタク系)】
趣味を楽しんでいるが、その趣味が差異化ゲームでは社会的低位置に置かれているため、自己満足はできても他者承認は得られない人達。スクールカーストでは、カースト圏外の別枠「オタク系」として処理されることが多い。階級的には、Cランクより下。
他者承認欲求が低く、他人にバカにされても劣等感を感じない者にとっては非常に居心地が良いが、そこまで「強くない」人間にとってはつらい階層。
ゆえにこの階層に所属するにも関わらず他者承認欲求が強い者は、「脱オタ」して差異化ゲームでの勝利を目指すようになる(矢印1)。しかし、この道は非常にけわしい茨の道であり、脱オタ失敗して「過剰適応者」(矢印2)「地味系」(矢印3)に移行してしまう者が後を絶たない。
僕の前回の記事や天馬さんのブログでよく登場する「脱オタ説教坊」は、脱オタ失敗により、オタクから過剰適応者へ移行した者達のことである(前回の記事で僕はこれを、「フォースの暗黒面に堕ちる」と表現した)。
また、多くの脱オタ志望者にとって、最初から差異化ゲームで「上」の趣味を楽しむことは難しく、評価を得るまでに時間がかかるため、一時的に「地味系」へ移行する人間も存在する。
【過剰適応者 (趣味:ファッション・スポーツ等、モテ系)】
差異化ゲームで有利な趣味を持っているが、それはあくまでステータスのためであり、趣味を楽しめていない人達。スクールカーストでいうと、Aランク下位及びBランクがここにマッピングされる。
自己満足より、他者評価を優先する。そのため差異化ゲームに人一倍敏感で、自分が下層に落ちることを恐れていると同時に、「オタク」「地味系」に対する優越感も強い。
努力の甲斐あって他者評価は高いが、「楽しむこと」による自己満足が不足しているため、「下層のくせに楽しんでいる」オタクに対し「のび太のくせに生意気だ!」理論が発動。そのため、過剰適応者とオタクの間では抗争が絶えない。
「自分の気持ちはどうでもいい!ステータスこそが、私の生きがい!」という、他者承認欲求ばかり強い人間には居心地の良い階層かも知れないが、ステータス競争のためだけに楽しくないことをやり続けるのはつらいと思うので、少しは楽しむことも考えたら?と個人的には言いたくなる。
ステータスのために始めた趣味がだんだん面白くなり、いつの間にか自然と「勝ち組」に「上がる」人間も多いが(矢印4)、いつまで経っても趣味を楽しめない者も。後者の人間で差異化ゲームに疲れた者の中には、密かに楽しんでいたオタク趣味をカミングアウトしたり(矢印5)、競争のない「地味系」へと移行する者(矢印6)も存在する。
【地味系 (趣味:特になし)】
これといった趣味を持たず、目立った特徴がない人達。スクールカーストCランクの人間がこの階層に属する。
趣味の差異化ゲームでは、プラス要因もないがマイナス要因もないため、オタクほど「下」に見られているわけではないが、他者承認が得られるほど地位が高いわけでもなく、かといって「オタク」ほど自己満足を得られるわけでもないという、「すべてが低め」な階層。
とはいえ、自己満足欲求・他者承認欲求が共に低く、「終わりなき日常」を淡々と生きられる人間にとっては、非常に居心地が良い階層であろう。
この階層で他者承認に不満を感じる者は「デビュー」して差異化ゲームでの勝利を目指し(矢印7)、社会性を無視してでもより強い自己満足を求める者は、「動物化」してオタクになる(矢印8)。デビューの際も脱オタの場合同様、気をつけないとフォースの暗黒面に取り込まれ、「デビュー失敗者」になってしまうので、細心の注意が必要(矢印9)。
デビュー失敗者は非常に残酷であり、中学までの親友を、高校でカーストが変わったという理由だけで迷惑がり、容赦なく切り捨てたりする。人間って、友情ってなんだろうと、思わず考えさせられる瞬間である。
特に熱中する対象もないのに自分より「上」に居るので、オタクの中にはこの層を嫌う人間も存在する。
【自分が『幸せ』を感じれるポジションにいることが『勝ち組』】
……というわけで、「他者評価」「自己満足」を軸に、スクールカーストMAPを試しに作成してみましたが……うーん、我ながらこじつけ感が強い場所が結構ある気がする。それに今回の書き方だと、「みんな『勝ち組』を目指さないと幸せになれないのかよ!」と勘違いされてしまいそうな予感も*1。
でもね、そんなことはないと思うんですよ。大事なのは、自分の中の「他者承認欲求」と「自己満足欲求」を、それぞれ満たしてやること。そして、それぞれの欲求の強さは、人によって違います。
もしあなたが今、「他者承認」が足りなくて苦しんでいるのであれば、差異化ゲームで有利なステータスの高い趣味を「楽しめなくても」選んでみるべきだし、逆に差異化ゲームに疲れ果て、「自己満足」が不足しているのであれば、他人にどう思われようと自分が好きなことをやればいい。
この「他者承認」と「自己満足」を、「自分の求めるバランスで」補給できるポイントを探すのが、重要なんです。それがあなたにとっての「勝ち組」であり、一番幸福なポジションになるでしょう。
もしあなたが、とても欲望が低い人で、「地味系」にいても特に不満を感じないというのであれば、それはとても幸せなことだと思います。欲望が強い人間は、それを満たして幸せになるために、過剰な「競争」や「努力」を強いられてしまいますから。MAPの下に掲載した、「表2」「表3」を参考に、「自分にとっての勝ち」を探してほしいものです。
……とはいえ、自分が好きなことやってて、しかもそれで「他者承認」まで獲得できてしまう「勝ち組」の方は、やっぱりズルイ!と思いますけど(苦笑)
*1 ま、ここらへんは「ネタ」ってことでひとつ。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30024/9137565
この記事へのトラックバック一覧です: 愛と青春と幻想のスクールカーストMAP:
» 『スクール・カースト』 [NOBODY:PLACE - MUTTER]
スクール・カースト… まぁその辺キーワードに難しい議論が展開されているかもしれな... [続きを読む]
受信: 2006年3月22日 (水) 13時39分
コメント