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もち吉従業員が自殺 「薬剤入れた」と会社にファクス

2008年11月20日15時2分

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 福岡県直方市の和菓子メーカー「もち吉」が製造、販売した小倉あん入りの「えん餅」から基準値(0.01ppm)の7千倍の有機リン系殺虫剤フェニトロチオンが検出された問題で、同社は20日、40代の男性従業員が自殺したことを明らかにした。同社によると、この従業員から「薬剤を入れました。申し訳ございません」とのファクスが19日朝、会社に届いていたという。県警は殺虫剤混入との関連を調べている。

 同社によると、自殺した従業員は以前は包装の担当だったが、自ら志願して製造工場で「えん餅」にあんを入れる担当に配置換えになっていた。19日午前6時ごろ、この従業員から「自分で薬剤を入れました。自分で配置転換を申し出たのに、職場になじめなかった」などという内容の手書きの文書がファクスで届いたという。この従業員は同日、出社しなかったため、県警が捜索し、飯塚市内の山中で遺体を発見したという。県警は自殺と断定した。

 同社幹部は「働きぶりはまじめな印象。技術的な伸びに悩んでいたんだろう。だからと言ってなぜ……」と驚いていた。

 同社や県は今月17日、10月末に販売した「えん餅」からフェニトロチオンが検出されたことを発表した。

 同社や県保健衛生課によると、10月30日、横浜市内の購入者から「えん餅から異臭がする」と苦情があった。苦情があったのは10月29日製造分のえん餅で、同社は同日製造のえん餅について北九州市の鑑定機関に検査を依頼。11月12日には大阪市の購入者からも同様の苦情があり、11月13日に鑑定機関からフェニトロチオンが検出されたとの知らせが同社にあった。県の調査でも同成分が検出された。

 県は食品衛生法に基づいて、製品の回収や原因究明を指示。同社は問題があった製品の製造日前後に作られたものを含めて回収を始め、製造を停止していた。

 その後、横浜市や大阪市以外からも購入者から同社へ苦情9件があったことが判明。大半が異臭や舌への刺激などを訴えるものだったという。苦情が寄せられた製品は、すべて10月29日製造分だった。

 これまで健康被害の報告はないが、同社から報告を受けた県警は、偽計業務妨害の疑いもあるとみて捜査を始めていた。

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