作品

KRT
BLACK DESIRE
 「……ど、かな?」
 「……ん?」
 「思い出せた?」
 その質問で、僕はようやくこの行為の意味を思い出した。口の中で笑いを噛み殺す。
 そう仕向けたのは僕だとはいえ……本当に、信じ込んでいるのか。
魔法
#1 黒い欲望  これが……この少女の感触なのか。すごい。
 まるで体中のアンテナがこの小さな接点に向き直ってしまったかのようだ。
 唇で他者を感じるという未知の衝撃に、僕は軽く陶酔する。
#2 星漣へようこそ 「──契約を開始します」
 地下室内に虚ろに声が響く。
 僕はそれに力強く頷き返し、決意を表明する。
「やってくれ」
#3 欲望拡大 「──それでは、ブラックデザイアの能力を説明させていただきます」
「はい、お願いします」
#4 フタカナ 「……あなたの目的は何ですか?」
 少女の透き通った声がコンクリートの壁に反響している。
 ……まずい。
#5 プール大作戦!(前編) 「姉さんがプールでみんなと遊びたいと言っています」
 放送室へ七魅に呼び出された僕は、間抜けな返事を返した。
「……話が見えないんだけど?」
#6 プール大作戦!(後編) 「さて、と……早速だけど説明に入ろうか」
 ひとしきり朝の空気を堪能した僕はそう言いながら振り返る。
「いいよー。いつでも準備OKだから」
#7 達巳裁判 I 「1F掲示板で大事件Σ(゚Д゚) 出頭セヨ(`・ω・´)ゝ」
 顔文字をふんだんに使ったハルのメールに僕はそこはかとなくむかつきを覚えながら指定された掲示板前に到着する。


 

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