厚生労働省が、リスクの高い妊婦と新生児を診る全国の総合周産期母子医療センターを対象に調査した結果、回答施設の7割が、07年度中に母体搬送を受けられなかった経験があると回答したことがわかった。
東京都内で容体が悪くなった妊婦が相次いで受け入れを断られた問題を受けて、厚労省が45都道府県の全75施設を対象に調べた。20日午後、周産期医療と救急医療の専門家でつくる厚労省の有識者懇談会で報告される。
調査結果によると、厚労省が24時間複数体制が望ましいとしている7床以上の母体・胎児集中治療管理室(MFICU)がある22施設のうち、当直時間帯の医師が1人しかいない施設は6施設あった。
母親の搬送については74施設が回答。72%にあたる53施設が搬送を断ったことがあると答えた。回答したセンター数は2年前の調査に比べて1.3倍になったが、搬送を断った施設の割合はほぼ同じだった。
搬送を断った理由では、49施設(93%)が「新生児集中治療管理室(NICU)満床」、31施設(59%)が「MFICU満床」をあげた。
新生児の搬送については70施設が回答し、60%にあたる42施設が搬送を断ったことがあると回答。このうち40施設(95%)が「NICU満床」をあげている。(野瀬輝彦)