企業が背を向ける政府・銀行の構造改革(下)
「貸主団協約」への申請はゼロ
◆責任回避ばかりの政府と銀行
このように構造改革案が一向に進まない原因は、企業と金融機関、政府が互いに異なる考えを持っているからだ。
まず企業は構造改革だけは何としても避け、支援を受けることでできる限り耐え、政府と銀行からの降伏宣言を待っているという。ある建設会社の役員は「政府と銀行の思い通りにされては、アジア通貨危機当時のように経営権や雇用をすべて失うという危機感が大きい」「政府と銀行がより緩和された条件を提示するまで、(貸主団協約への加入は)先送りしたい」と述べた。安易に加入して会計帳簿などの企業秘密が貸主団に露出することを懸念する声もあった。
もしこれらの企業が今後も同じような態度を続け、経営体力が弱い企業から崩壊が始まれば、業界全体が連鎖倒産の嵐に陥ってしまう。そうなれば生かすべき企業と見捨てる企業を早期に区分し、金融業界と経済全体に及ぼす影響を最小限に食い止めようとした政府と金融機関の意図も無駄になってしまう。
金融業界では、一部の銀行が「(政府との話し合いなしに)銀行が見捨てることのできる企業はないのに、“自主的な企業支援策”などと言いながら構造改革の刃を持ち出すという発想は現実とかけ離れている」と主張する。政府が腹を決めて先頭に立たなければ、何もできないということだ。
しかしそこには「悪役は引き受けたくない」という保身の動きも見て取れる。金融業界のある幹部は「銀行が先頭に立って構造改革に乗り出したら、その後始末はどうするのか」と語る。
政府も考えは同じだ。金融委員会の関係者は「先制的構造改革が必要な状況にあるのは間違いないが、まずは金融業界と企業が自ら問題を解決していくのが望ましい」と述べ、金融業界の出方を見極めようとしている。ある前職の経済官僚は「公務員としては官治金融という批判や、複数の企業に対する構造改革後の事後処理に対する負担感が大きい」と述べた。
チョン・チョルファン記者
趙義俊(チョ・ウィジュン)記者
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