大阪と奈良の高校に通う外国籍の生徒計7人が5〜9月、日本人の生徒とともに海外への修学旅行から帰国した際、免除されるはずの指紋採取と顔写真撮影をされていたことが分かった。学校から抗議を受けた大阪入国管理局関西空港支局は謝罪し、データ削除などの対応を取った。日本に入国する16歳以上の外国人には指紋採取と顔写真撮影が義務づけられているが、修学旅行から帰国する外国籍の高校生は、事前申請で免除されている。
誤って指紋と顔写真をとられたのは、大阪府と奈良県の高校計4校に通う韓国籍と中国籍などの生徒計7人。そのうち大阪市平野区の府立長吉高校では9月、韓国への修学旅行からの帰国時、韓国籍と中国籍の女子生徒各1人が、関空の入国審査場で指紋と顔写真をとられた。2人は免除対象者であることを示す用紙をパスポートと一緒に提示したが、審査官が見落とした。
審査後、生徒から連絡を受けた引率の教師が審査官に抗議。この話が別の府立高校に伝わり、生徒1人が誤って指紋と顔写真をとられたことが判明。2校は大阪府教委とともに同支局を訪れ、データの削除と原因説明を求めた。
同支局の調査で、さらに大阪と奈良の2校で4人から誤って指紋と顔写真をとっていたことが分かった。指紋と顔写真のデータを削除する手続きをとり、謝罪と削除を知らせる手紙を各校に送った。
同支局の北村晃彦次長は「審査官が用紙を見落としていた。学校と生徒を困惑させ、申し訳ない」と話している。指紋の採取と顔写真の撮影は、07年11月の入管法改正で、在日韓国・朝鮮人など特別永住者などを除く16歳以上の外国人に義務付けられた。今年4月からは、事前に対象の生徒の名簿を入管に提出すれば、免除されている。(千種辰弥)