小児救急体制を強化 仙台市立病院が基本計画案

 仙台市立病院(若林区、玉井信事業管理者)は19日までに、2014年度に太白区あすと長町への移転を目指す新病院について、小児救急をはじめ救急医療の拡充を図ることを柱とした基本計画案をまとめた。建設費は土地の取得費用を含めると、370億円に上る見通し。年内に市民の意見を聞くパブリックコメントを実施、08年度内に基本計画を策定する。

 救命救急センターには、休日や夜間に軽症患者を診察している市急患センター(若林区)の小児科部門を併設する。風邪などの比較的軽い病気から、生命にかかわる重篤なケースまで小児医療全般にかかわる。

 周産期医療にも力を入れ、現在3床分を確保している新生児集中治療室(NICU)を増やし、回復期病床(GCU)を新設。全国で問題となっている妊産婦の受け入れの強化を目指す。

 既に整備している「認知症疾患センター」は新病院に引き継ぎ、拡充させる。現在は4人の精神科医を8人程度に増やし、病気やけがを負った認知症患者の救急体制を整える。

 ほかにも、新型インフルエンザなどの感染症対策、宮城県沖地震を見据えた災害時医療に力を入れる方針だ。
 病床数は現在と同じ525床を予定し、緊急時の搬送に使うヘリポートを設置する。

 整備方法としては、民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式と、従来の公設方式を検討。運営方法は、市営と独立行政法人化が浮上している。

 市立病院は1930年に開院。80年に若林区清水小路に移った。大きな災害が起きた場合、十分な診療体制を取れないなどの理由から、移転が決まった。
 07年7月に「市民に開かれた病院」「政策医療の中心的な担い手」を掲げた新病院の基本構想をまとめ、基本計画の策定作業を進めてきた。
2008年11月20日木曜日

宮城

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