麻生太郎首相は19日、全国都道府県知事会議で地方の医師不足への対応を問われ、「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医者の確保は大変だ。(医師には)社会的常識がかなり欠落している人が多い。うちで何百人扱っているからよく分かる」と述べた。地方の医師不足の原因が医師側にあることを指摘したものだが、日本医師会などが反発するのは必至だ。(5面に発言要旨)
さらに、「正直これだけ(医師不足が)激しくなれば、責任はお宅ら、お医者さんの話ではないのか。お医者さんを『減らせ減らせ、多すぎだ』と言ったのはどなたでしたか」と、過去の医師側の発言を紹介する形で批判した。
首相は同日夜、首相官邸で記者団に「お医者さんになったおれの友達もいっぱいいるんだけれど、何となく意見が全然、普段から波長の合わないのが多いな」と感想を述べた。一方で、「まともなお医者さんが不快な思いをしたというのであれば、それは申し訳ありません」と釈明した。【石川貴教】
毎日新聞 2008年11月20日 東京朝刊