【コラム】クジラは本当に絶滅の危機にあるのか(上)
- 2004年8月、ブラジル東部の海岸に押し寄せたザトウクジラの救助作戦を展開する消防官や海洋生態学者たち。捕鯨に反対する環境保護主義者たちと捕鯨支持者たちの争いは30年以上にわたって続いている。
先月7日、オーストラリア政府が日本による捕鯨の様子を撮影した写真を公開した。2頭のクジラを捕獲し、捕鯨船に引き上げている写真を見て、オーストラリアのメディアは「日本の捕鯨船団は、科学的な研究と称して、親クジラばかりか子クジラまで殺している」と非難した。同国の環境相は「写真を見て、悲しみと憤りを覚える」と怒りをあらわにした。一方、これに対し日本は、「煽動的な写真が国民の目をくらまし、両国関係に深刻な影響をもたらしかねない」と反論した。
捕鯨の是非をめぐる国家間の論争は、最近突然降って湧いたことではない。1972年に行われた第1回国連人間環境会議で「商業捕鯨モラトリアム(一時停止)勧告案」が初めて採択されて以来、捕鯨国と反捕鯨国の論争は30年以上にわたって続いてきた。
◆海のない国までIWCに加盟
論争の舞台となっているのは、世界全体での捕鯨の是非について話し合う国際捕鯨委員会(IWC)だ。1946年に「クジラの数について適切な水準を維持することにより、捕鯨産業の発展を図る」という趣旨で設立されたが、70年代に反捕鯨国が一斉に加盟したことで、「捕鯨産業の発展」よりも「クジラの保護」に重点が置かれるようになった。
反捕鯨国の主導で82年に「商業捕鯨モラトリアム案」が採択され、86年には商業捕鯨が停止された。代表的な捕鯨国である日本、ノルウェー、アイスランドなどが異議を申し立てたが、米国、イギリス、オーストラリアなどの反捕鯨国は黙っていなかった。一方が有利な状況になれば、もう一方は新たに加盟国を増やし、力の均衡を保とうとしたのだ。
その結果、発足当初は14カ国だったIWCの加盟国は、現在77カ国まで増えた。この中には、スイス(反捕鯨)、モンゴル(捕鯨賛成)など、海に面していない国も少なくない。その多くは、米国または日本から資源の援助の約束を取り付け、一方を支援するために加盟した。
2006年に行われたIWCの総会では、20年ぶりに捕鯨国の主張を盛り込んだ「セントクリストファー・ネイビス宣言」が採択されたが、参加した加盟国の4分の3以上の賛成票を得ることができなかったため、強制力を伴うことはなかった。同年、アイスランドは商業捕鯨を再開し、翌年には日本が「(IWCに対抗して)新たに鯨資源を管理する機関の設立を検討する」と宣言した。
キム・ウソン記者
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