山陽新聞ホームページ さんようウンナビ−岡山のタウン情報ならこちら!
Web サイト内

トップ>>地域ニュース>>デスクノート サイトマップ >お問い合わせ
デスクノート
以前の記事一覧

理念はいいが…

 裁判員制度の施行(二〇〇九年五月二十一日)まで半年。「刑事裁判に一般国民の感覚を」という理念に異論はない。しかし―。

 刑事裁判で冤罪(えんざい)や誤判は絶対にあってはならない。慎重の上にも慎重な審理が求められる。なのに制度の仕組みを見ると、それがおろそかにされているのではないかと危惧(きぐ)される。裁判員の負担感を軽減しようとの配慮ばかりが優先されている。

 例えば公判前整理手続き。非公開のため何が行われているのか一般には分からない。初公判前に争点や証拠を絞り込むから、公判の審理は迅速化される。しかし捜査の可視化が進む一方で、裁判は目に触れる部分が少なくなる。九月に開かれたマスコミ倫理懇談会全国協議会でも、報道機関から「真相解明が妨げられる」などと問題視する意見が相次いだ。報道を制約する側面も見過ごせない。

 捜査段階では犯行の動機や経緯、背景などが十分明らかにされない。そのため事件の被害者家族らは「一体何があったのか、裁判で真実を知りたい」と願う。裁判は真実、真相を解明する場と、多くの人が認識しているに違いない。

 だが、こうした市民の期待は、法曹界の認識と必ずしも一致しないようだ。司法制度改革に携わったある法律専門家は「裁判がどこまで真実に迫れるか。あくまで証拠に基づいた判断でしかない」という。

 これは、国民の認識とかけ離れているのではないか。ほかに、裁判員制度には憲法上の疑義もいくつか指摘される。このまま施行に突き進む今の状況は、どうも納得し難い。

 (社会部・河田一朗)


(2008年11月19日)
注目情報

最新ニュース一覧
NY原油続落、53ドル台
1年10カ月ぶり安値
(6:51)
NY株、8000ドル割れ
(6:51)
米09年成長率、マイナスも
FRB、大幅な下方修正
(6:20)
日本3−0でカタールに快勝
サッカーW杯最終予選
(6:11)
マンモスゲノムを解読
ゾウとの違いは0・6%
(3:05)
日本がカタールに先制
W杯アジア最終予選
(2:02)
日産、電気自動車普及に協力
米オレゴン州で
(1:40)
WTO年内合意へ努力を
声明に明記へ、APEC
(0:48)
連続殺傷、宅配業者装う同じ手口
山口元次官宅玄関に印鑑
(0:31)
いすゞ、非正規の契約打ち切り
1400人、減産で異例措置
(0:19)
首相「社会常識欠ける医師多い」
その後“問題発言”を陳謝
(0:13)
河野衆院議長、在任歴代最長に
在任1786日
(0:08)
オバマ氏に対米攻撃警告
アルカイダのナンバー2
(0:05)
米消費者物価、最大の下落
景気悪化とエネルギー安で
(23:22)
地方配分1・3兆円超と首相
道路財源見直しで
(23:11)
NY円、96円70−80銭
(22:40)
トヨタ、北米で年末操業休止拡大
期間従業員も削減
(22:17)
首相、郵政民営化計画見直し表明
日本郵政の株式売却凍結へ
(22:11)
福井県のホームページを改ざん
ウイルスの有無など調査
(22:04)
統幕学校で「つくる会」講師恒常化
国家観など講義
(21:54)


山陽新聞総合データベース
★山陽新聞社ホームページのデータとリンクについて★


・ホームページの記事・写真の著作権は山陽新聞社、共同通信社、寄稿者に帰属します。すべてのデータの無断複製・転載を禁じます。
・ネットワーク上の著作権について日本新聞協会の見解をご覧下さい。
・リンクする際は、トップページ(
http://www.sanyo.oni.co.jp/)にしてください。トップページ以外のページへの直接リンクは基本的にお断りしています。また、「ブックマーク」「お気に入り」等への登録もトップページにお願い致します。

Copyright © 1996-2008 The Sanyo Shimbun,all rights reserved.