寝る前の紅茶のカフェインで眠れないよ…
もう12月…去年の今頃は、今から着物やクリスマスのドレスのオーダー、お得意様に頼まれた忘年会のリストをまとめ… 臨戦態勢を整えてる時期だったな。
でも ホステスになりたてのころ 本当に仕事が辛くてたまらなかった。
家に帰る午前2時、車が凍ってドアが開かない…
販売機で暖かいウーロン茶を何本か買ってかけたりして無理やりこじ開けて…
車は-5度を示している。
「ああ…人が寝る時間に寝てみたいな…」
これはホステスになってから、最後のホステスの前の日まで 1日たりとも 思わないことは無かった。
セブンイレブンのおでんが一番の楽しみだった。
家にはドレス、香水、化粧品…生活感のかけらもなく 暖かい家庭を強く夢見ても 程遠い生活環境。
帰宅してコートを着たまま ストーブの前に居るとき なんともむなしかった。丁度今頃の時間…
みんなにとって当たり前のことが今は幸せだ。
夜勤はたくさんみんなしてるし 悲壮感ただようものではないけど
あさみにはとにかくつらかった。
寂しがり屋だった。
たくさんないた。
お金は少しだけあった。
娯楽を知らなかった。
世間を知らなかった。
愛を知らなかった。
うわべだけだった。
いつも冷めていた。
心まで凍った。
いつまでも、一生あたしは
人が寝る時間に寝れないような気がした。
牢獄にいるような気がした。
絶望していた
死にたかったし、死ぬと思った。
だから
当たり前の今を失いたくない。
そのためなら なんでも頑張る。
頑張りたい。