自主回収されるはずの医療器具が使われ、乳児が一時重体に陥ったとして、東京都は19日、医療機器製造販売会社「五十嵐医科工業」(東京都)に麻酔器「OR ジャクソンリース セット」の回収命令を出した。
都や厚生労働省によると、石川県内の病院で10月、この麻酔器を「人工鼻」と呼ばれる他の器具と接続して0歳の乳児に使ったところ、呼気を出す部分がふさがれ、呼吸困難に陥った。一時心肺停止に陥ったが、回復したという。
この麻酔器は同種の他社製品で死亡事故が01年に起こったため、同年4月から自主回収が進められていた。都によると、97年4月〜01年3月に4290個が出荷されたが、回収は2347個にとどまっている。