定年退官を前に記者会見に臨む島田仁郎最高裁長官=17日午後、最高裁、松沢竜一撮影
21日付で定年退官する島田仁郎(にろう)・最高裁長官(69)が17日に記者会見し、06年10月からの約2年間の在任期間を振り返った。「迅速、適正な裁判と、身近で利用しやすい裁判所の実現に向けて努力してきた。まだ十分とは言えないが、両方とも相応に前進したと思う」と述べた。
来年5月に始まる裁判員制度については「生まれてくる赤ちゃんがすくすくと順調に育つことを祈る、親のような思い。順調に定着していくことを心から祈り、見守っていきたい」と期待を込め、「準備はかなり整ってきたが、全く新しい、画期的な制度。一層、理解を得て実施しなければいけない」と訴えた。
在任期間中に印象に残った事件として今年6月に言い渡した、国籍法を違憲とした大法廷判決を挙げ、「違憲立法審査権の重みを、身をもって実感した」と語った。