【ワシントン=米山雄介】オバマ次期米大統領は18日、ロサンゼルスで開いた気候変動問題に関する国際会議でビデオ演説し、次期政権としての環境政策構想を明らかにした。2020年までに温暖化ガスの排出量を1990年の水準まで削減する中期目標を設定。これに向け、年ごとの厳格な削減目標を設ける。20年以降は、50年までに温暖化ガスをさらに80%削減する長期目標も示した。ガス排出削減に消極的なブッシュ政権から大きな政策転換となる。
オバマ氏が個別の政策について政権構想を明らかにしたのは、大統領選での勝利後初めて。ビデオ演説で「気候変動問題は深刻で、無視したり、対策を遅らせることはできない」と指摘したうえで、「米国のリーダーシップの新たな一章を刻む」と述べ、地球環境問題の解決へ積極的に貢献する考えを示した。
国連気候変動枠組み条約事務局によると米国の06年時点の温暖化ガス排出量は90年比で14.4%増加している。(11:35)