大阪府富田林市で16日未明、新聞販売所アルバイトの東川(ひがしがわ)達也さん(16)がひき逃げされ死亡した事件で、自動車運転過失致死容疑などで逮捕された大工の市川保容疑者(41)が、事件発生現場から約12キロ離れた同府松原市のスナックで直前まで酒を飲んでいたことが関係者への取材でわかった。府警は、市川容疑者が断続的に約7時間半にわたって飲酒し、自宅まで約20キロ運転する途中で事件を起こした疑いがあるとみている。
また、市川容疑者が04年5月、富田林市内で物損事故を起こしたとして、道路交通法違反(安全運転義務違反)容疑で書類送検され、90日間の免許停止処分を受けていたことが新たに判明。富田林署によると、この際、呼気からアルコールが検出されたが、基準値に満たなかったとみられ、酒気帯び運転で立件した記録はないという。
関係者によると、市川容疑者は事件発生約4時間前の15日午後11時ごろ、松原市のスナックに1人で入店した。すでに酒を飲んでいた様子だったという。ボトルを新たにキープし、カラオケを歌いながらバーボンを水割りで1杯、ロックで3〜4杯飲み、最後の1人になるまで店にいたという。
代金約5千円を払い、店主に見送られて店を出たのは16日午前2時半ごろ。店には駐車場がなく、店主は「車で来ているとは思わなかった。酒には強く、足取りはしっかりしていた」と話している。
富田林署は、市川容疑者が近くの店舗などの駐車場に止めた車で帰宅し、約20分後に富田林市内で東川さんをはね、7キロ以上引きずったまま同府河内長野市の自宅に戻ったとみている。スナックには数年前から2〜3カ月に1回のペースで来ていたといい、飲酒運転が常態化していた疑いもあるとみている。