2008年11月19日 (水)

映画「フィッシュストーリー」完成披露試写

良かった。本当に良かった。現時点でkiyoriの今年見た映画ナンバー1です。だからちょっと興奮しています♪

「アヒルと鴨のコインロッカー」のチーム、原作・伊坂幸太郎×中村義洋監督。そして今回の最大の貢献者は音楽プロデュースを担当した斉藤和義。もし彼の作る曲が、あの曲じゃなかったら、この作品はダメだったかもしれない。もう、オープニングのギターがガツンとかき鳴らされて、タイトルバックのバンドの演奏シーンのハマリ具合が絶妙で、カッコいぃ~!!ってココロの中で叫んでしまいました。アングルから文字の流れ方までセンス抜群!一気に引き込まれて、ラストまでノンストップ。

映画レビューは12月10日発行の「side b」に掲載します。今日はメモ。高揚感をそのままメモメモ。

ストーリーは突拍子もない世界。2012年の地球が、あと5時間で滅亡しようとしているのだから。でもどういうワケか全然遠くの話に感じない。それは会話がリアルだから。バンドのメンバー、レコード店の店員と客、いろんな時代の、いろんな場面で交わされる若者たちの会話がイキイキしてるからだ。

1975年、売れないパンクバンドが最後に放った1曲が、めぐりめぐって、時代をつないで、2012年の地球滅亡の危機を救う!?というとんでもない展開の物語。

伝達ゲームみたいなものかもしれない。言葉に乗った想い。歌詞やメロディーに込められた想い。どこかで誰かに届くのかなぁ・・・そんな、切ない想いは、必ず伝わっていく。登場人物は多いし、それぞれが描かれているのは、その人の人生の一部だけなのに、なぜか全部の人物の映画になってない過去や未来もちゃんと想像できる。ちゃんと生きているんだな、って思う。

1975年のパンクバンド「逆鱗」のメンバーは、今現在どんなオトナになっているのかなぁ・・・こんな風かな、あんな風かな、って。あの後、バンドはどうなっていくのかな、とか。

たくさんある良かったシーンの中の1つ、森山未來演じる「正義の味方」は、いやもうホントにヒーローでしたね。カッコ良かった。だからエンディングの少し前の彼の描かれ方に、観た人全てが嬉しかったんじゃないかな。ネタバレになってしまうから言えないけど、人生の中で「正義の味方」になれた瞬間は、何の前ぶれもなしにやってきたけど、その場面では、クールに輝いてました。久々、森山未來のマジでカッコいい!役を見たよ。

さて、今日は伊藤淳史、高良健吾、大森南朋、多部未華子、濱田岳と監督による舞台挨拶がありました。例えば、オダギリジョーとか妻夫木聡が登壇する舞台挨拶の現場では、客席がソワソワ感でざわめいてて、俳優の一言にもキャーキャー感が会場に溢れている。が、今日はなんかそういう雰囲気とは違ってて、アットホームな感じ?

ポイントは多部未華子ちゃんが、ホント可愛い、という点。男性陣に愛されてました☆ 伊藤淳史も映画の見どころで彼女をあげ、「すべてのシーン、すべてのカットでかわいい」とベタぼめ。

見てる者をなぜか不安な気持ちにさせたのが濱田岳。アハハ。この人、ドラマ「太陽と海の教室」のときの役そのまんまみたいな雰囲気なのね。うねうねしててシャキッとしてなくて(笑)、「気の弱い大学生」を演じていると自己紹介してるんだけど、女のコにちょいイラッとされそうなキャラ!?しゃべり出すと心配になって、暖かい目で場内の人たちは見守ってました。

逆鱗の演奏は、「ミッシェルガンエレファント」タイプ、かな。バンドのレコーディング風景や、メンバー同志の会話には、クスッてなります。<kiyoriのバンド感>に於いての重要なヒントを得ることが出来ました。自分たちのことを売れるかも、ってやるのと、どうせ売れね~よ!って逆鱗みたいに笑い飛ばす違い。本気の本気で売れないって思ってるんじゃなくて、ダメだったらまたバイト探すか~!って会話があったけど、そういう軽さ。売れなかったら解散するとか辞めるじゃなくて、どっちにしたって音楽や仲間が好きで、何か深いところで信じてる強さ。それだな、大切なのは。だから、歌が届いていく。時代を超えて届いていく。地球滅亡を救うかもしれない!?

バカバカしいようで、軽やかに、しかも真剣に生きてるそれぞれの時代の若者たちに、胸がジンと熱くなる素敵な物語。エンディング直前のシーンは、素晴らしすぎて感動的で、でもお堅い感じじゃなくて、笑顔になれます。

あぁ~良かったぁ~。そんな声が場内のあちこちで聞こえてきました。

2008年11月19日 映画 |

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