益田市乙吉町の益田赤十字病院は18日、里帰り分娩(ぶんべん)を休止すると発表した。同病院では「産婦人科医の負担が増加しており、安全なお産の管理に支障をきたす事が懸念されるため」と説明している。
同病院の産婦人科の常勤医は3人。今まで分娩を扱っていた市内の診療所が、今年の9月16日から取り扱いを休止したため、益田圏域で分娩ができるのは同病院だけになった。このため今年度の分娩の総件数は昨年度よりも100件ぐらい増え、650件程度が見込まれている。
里帰り分娩も年々増加しており、昨年度は総件数542件のうち、166件が里帰り分娩だった。同病院では今月13日以降、里帰り分娩の新たな予約を断っている。
同病院によると、一般的に産科医1人あたりの分娩の取り扱い件数は、年間100件が目安という。河野龍之助院長は「産科医の負担増を考えて決めた。里帰り分娩を制限することで、地元の方が安心してお産ができるようにしたい」と話している。【児子勉】
毎日新聞 2008年11月19日 地方版