自民と民主の党首会談が物別れに終わり、重要法案の国会審議がストップした。不毛な我慢比べになれば、政治空白を長引かせるだけだ。第二次補正予算案の速やかな提出を首相が決断する時だ。
二次補正予算案の今国会提出要求をかわされた小沢民主党は一転して態度を硬化させ、予定されていたインド洋での給油継続法案の採決を拒否、十八日の参院審議は空転した。二次補正が提出されるまで、金融機能強化法改正案と併せて給油法案の採決に応じないとしている。
政府と与党は民主党の要求を突っぱね、世論の民主批判の高まりを待つ。三十日に会期末を迎える国会の会期を大幅に延長することも検討されている。民主党の抵抗を織り込んで、参院否決とみなす「六十日規定」を使って衆院再可決で二法案を処理する構えだ。
民主党は審議拒否はしないというが、にらみ合いのままでは、国会の混沌(こんとん)が延々と続く。同じ野党の共産、社民両党から戸惑いの声が上がるのも無理はない。今の日本にそんなゆとりはないはずだ。
事態の打開には麻生太郎首相が明確な方針を示すことが欠かせない。二次補正に盛り込む追加経済対策を発表した記者会見で、首相は現在の経済情勢を「百年に一度の金融災害」とたとえ「ポイントはスピード」とまで語っている。
定額給付金などを柱とする二次補正を急ぎ提出するのが筋なのになぜか明言を避けている。
野党だけでなく与党にもこんな観測が流れている。二次補正を提出すれば延長国会で集中砲火を浴びる。迷走した二兆円の定額給付金は依然評判が悪く、国会審議で閣内不一致を露呈すれば、立ち往生してしまう。内閣支持率が低下する中、避けたいはずの解散の事態にも発展しかねない、と。
一般財源化する道路特定財源の扱いなどで調整の難航が予想される、来年度予算編成や税制改正作業は簡単ではない。いったん国会を閉じ、来年一月の通常国会冒頭で二次補正を処理したい政府・与党の考えも分からないではない。
ただ、批判のある二次補正が通常国会をすんなり通るとも思えない。紛糾すれば、来年度予算案の審議に支障が出るのではないか。
ここは首相は腹を決めるしかない。政府・与党内をまとめて、早急に国会論戦を始めるべきだ。国民は首相が何をしたいのかが分からない。率直に説明してもらいたい。時間の浪費はいけない。
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