毎日新聞社は19日午前、19日付朝刊の社会面と同社のウェブサイトで、元厚生事務次官宅の襲撃事件をめぐり、「ネットに犯行示唆?」などの見出しで報じた記事について、「書き込みは事件前ではなく事件の報道後だった」として、おわびを出した。
記事では、ネット版の百科事典「ウィキペディア」の社会保険庁長官の項目に、吉原健二・元次官の妻が襲撃された約6時間前の18日正午すぎ、「×は暗殺された人物を表す」とのただし書きとともに、吉原さんの名前に×が付けられた、と報じた。書き込んだとされる人物のネット上の名前も記した。
しかし、ウィキペディアへの書き込み日時は原則として、「協定世界時」で表示されるため、日本時間に直すには9時間加えなければならない。毎日新聞社長室によると、この書き込み日時を日本時間と勘違いしていたという。社内で誤りに気付き、サイトの記事を削除した。
ウィキペディアには19日午前、書き込んだ当事者と同じハンドルネーム(ネット上の名前)で「私の書き込みは事件後です」と新たに書き込まれている。