茨城県警稲敷署は18日、警視庁警視(総務部施設課管理官)の日高幸二容疑者(50)=同県龍ケ崎市小通幸谷町=を道路交通法違反(酒酔い運転)の疑いで現行犯逮捕した、と発表した。日高警視は容疑を認めているという。同庁は日高警視の懲戒免職の方向で検討に入った。
発表によると、日高警視は17日午後7時半ごろ、同県稲敷市内で酒に酔って乗用車を運転した疑いがある。日高警視は同市下馬渡の県道交差点で、前方で右折しようとしていた同市職員の男性(53)の乗用車を右側から追い抜こうとした際、男性の車のドアに自分の車を接触させる事故を起こして走り去った。約2キロ先で道路左側の小道に車を脱輪させて止まったところを、追跡してきた男性が見つけ、同署に通報した。2人ともけがはなかった。
日高警視は17日に有給休暇をとり、同県内のキャンプ場であった警視庁総務部施設課のレクリエーションに参加、飲酒したという。警察官が駆けつけたとき、酒臭くふらふらした足取りだったと、同署は説明している。
警視庁によると、日高警視は自家用車で茨城県のキャンプ場に向かい、17日午後3時すぎから課員と一緒にバーベキューで飲食していたという。日高警視は「翌朝は所用のために早く帰る」などと伝えていた。泊まりがけの予定だったが、何らかの事情で帰宅しようとしたらしい。課員らは午後7時ごろには日高警視の姿が見えないことに気づいたが、「明日の朝早いので、車の中で休んでいるのではないか」などと思い、帰宅に気づかなかったという。
同庁では年間3日間、レクリエーションとして課員同士の親交を深める行事を開催。主に春と秋に日帰りと1泊に分けて実施している。課内で休暇を調整しあい、グループごとに別々の日程で、旅行や美術館めぐり、ゴルフなどに出かけたりしている。
日高警視は77年4月に同庁に採用され、交通総務課係長や築地署交通課長を務め、06年3月から派遣された東京都で交通安全対策担当課長。今年3月から同庁施設課の管理官を務めていた。都によると、都の課長時代、独自のステッカーを作り、飲酒運転の防止などを呼びかけていたという。
警視庁警務部の中村格参事官は「警察幹部として、あるまじき言語道断の行為であり、誠に遺憾である。茨城県警察の捜査結果を踏まえ、厳正に対処したい」とのコメントを出した。