日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)が、国内線で競合するリニア中央などの新幹線に対抗意識をあらわにしている。
JALの西松遥社長は21日の会見で、JR東海がリニア中央新幹線の地形地質調査結果をまとめたことに関連し、「(リニアができると)新幹線と航空機の東京-大阪間のシェアは、80対20から100対0になる」と指摘。「この20%のために5兆円を払うとなると、ものすごい投資だ」と皮肉った。「悔しかったら(新幹線で)ソウルまで飛んでみたら」とも述べた。
これに触発されたのか、ANAの山元峯生社長も22日、JR東海が「Eco出張」キャンペーンで「新幹線のCO2排出量は航空機の10分の1」などとPRしていることに不快感を表明。「新幹線を作るまでに膨大なCO2を出していることを計算に入れていただかないと」と批判した。
また、山元社長は「(新幹線と)何とかもう一勝負しなければ」と述べ、羽田-伊丹を結ぶJAL・ANA共通運賃の「シャトル便」で共同カウンターを作るなどのアイデアを示した。【位川一郎】
毎日新聞 2008年10月23日 22時37分