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中国に「2月危機」説 株価や不動産下落…回避へ利下げや減税 (2/2ページ)
広東省では、「出稼ぎ農民たちへの給料不払いに歯止めがかからないようだと、何が起きるか」と党関係者が気をもんでいる。例年なら同省を中心に中国全土で2月の旧正月には出稼ぎ農民を中心に稼いだカネを手にした延べ1億数千万人以上もの人々が鉄道で故郷へと向かう。ところが年末から始まる決算期にさらに企業倒産、賃金踏み倒しが増えそうな情勢。広東省では深セン市と地続きの東莞市を中心に台湾や韓国系の進出企業の工場閉鎖や倒産が相次ぎ、その数は今年2万5000件に上るという。賃金不払いに怒る労働者や不動産投資で損失を抱えた業者や市民による抗議や暴動が相次いでいる。
北京からの情報によると、中国の党と政府は、追加利下げを近く実施するほか、来年から給与所得者向けの大型減税に踏み切るもようだ。月収5000元(日本円換算で約7万円)以下は無税、5000元を超す場合は減税になる。
中国政府は財源確保のため、外貨準備増加額相当分は原則として国内向けに投入する方針。ただし、胡錦濤総書記・国家主席ら党指導部は現在保有している米国債や米住宅抵当公社債券は売却せず、ドルや米国債市場が不安定にならないように配慮する考えという。(編集委員 田村秀男)