― 森保コーチがボランチ的に効いていたそうです。
福元 お兄さん的で。ヤッコさんがいて。森保さんがいて。バランスが良かったんですよね。
森重 森保さんは、僕らサブの選手のモチベーションを上げる面で助けてくれたんです。やっぱり、僕らはどうしてもモチベーションが下がる時があるじゃないですか。そういう時に頑張ろうって言ってくれるんです。だから俺は森保さんがいてくれて良かったって思っています。
福元 イジられタイプなんですけど、練習はしっかりやらないと怒りましたからね。みんなはそこの切り替えはわかっていたと思いますから、練習にメリハリはありました。
― アジア最終予選から本大会まで数カ月あって、みなさんはいろいろな経験をされました。
梅崎 僕はこの期間がすごくいい期間になりました。世界を少しの間でも見れた。だからカナダでもやれた。そんなイメージはあります。
福元 ワールドユースが見えて、そこまでに成長するために試合に出たいという気持ちが強くあり、それが大きなモチベーションとなってやれていた部分もありました。
森重 トゥーロン国際があったじゃないですか。僕にはあれがすごく刺激になって。僕らサブメンバーで戦ったのがフランス戦で、ボロボロに負けてしまって。それで日本に帰ってきた時に、「俺らが出たから負けたんだ」という気持ちがみんなにあって。その気持ちがあったから、ナイジェリア戦で「絶対に負けられない」という気持ちが強かったんです。サブが入るとチーム力が落ちるって言われたくなかった。それがあの結果に出たんじゃないかと思っています。
― そんな中、強豪としてマークしていたスコットランド戦で快勝しました。その準備はどうだったんですか?
梅崎 カナダには試合の1週間くらい前に入ったんですが、みんな士気が高かったんです。早く試合がしたい、試合がしたい…という気持ちが強くあって。そんな中で始まった大会だったので、純粋に大会を楽しもうという気持ちが強かった。それが初戦に現れたんじゃないでしょうか。それでチームとしての自信がついたんだと思います。あの勝利で「やれる!」という実感がすごく生まれたんです。
福元 相手は身体が大きかったですけど、トゥーロンで、自分たちのサッカーは通用するんだという手ごたえを、ある程度つかめたんですね。それからも、みんなで自分たちがやりたいサッカーの意見を出しあっていったんです。スコットランドは前評判高かったんですけど、やってみたらいいサッカーが出来た。これはトゥーロンで自信がついたということが大きかったんじゃないかと思います。
森重 行く前にビデオとか見ても、みんなそんなに驚いていなかったしね。みんないけるんじゃないかって思っていたんじゃないかって思うけど。
梅崎 ビデオを見る限りだと「行けるな」と思ったよね。
― 勝てそうだなって?
森重 そこで油断とかはなかったですけどね。自分たちがちゃんとやればできるんじゃないかなって。Jで出ていた選手もいっぱいいたし。すごくみんな自信満々で大会に臨めたんじゃないかなって思います。自分たちがやりたいサッカーをみんなが理解していたし。たとえば、我慢する時間帯で失点しなければ、いい流れになるとか。みんな自分たちのサッカーを理解して、それを出せたんじゃないかなって思います。
※このインタビューは2007年に行われました。
|