―　新潟ではインドでのアジア最終予選がキーポイントになったのではないか、という話題が出たんだけど、二人はどう感じている？

森島　僕は試合に出ていましたから、勝っていくうちにひとつになっていく実感はありましたね。みんなの発する言葉とかもどんどん変わってきたし。点を取られても、落ち着いていられたし。そういう部分が、インドで試合を重ねるごとに成長できた部分なんじゃないかなって思います。

香川　僕はあまり出場できませんでしたからね。

―　食事がすごかった？

森島　まあ……最悪でした！（笑）配慮してくれてはいたのですが、食べられるものだけ、食べておこうって感じで。でも、生野菜は絶対に食べちゃいけないって聞いていたから、なにを食べればいいのかなって感じでしたけどね。

―　河原くんは生野菜サラダを食べたって言っていたけど。

森島　えっ、ホンマですか！？（笑）

―　最終予選の前に、予行演習で遠征に行ったのが良かったという意見も出ました。

森島　でも、最初の遠征は下痢がやばかったですよ！　きつかったです。

香川　俺は1回目行かなかったんですけど、最終予選で行った時はひどかったです。熱まで出ましたもん。

森島　インドに行くために注射を6本も打ったんですよ？　両肩とお尻に。それを2セット。もうちょっと楽なところでやってくれよーって感じでした。

―　外出はしたの？

森島　普通のきれいなスーパーマーケットだけ行きました。それだけでした。うわっ！…って思うくらい、人がたくさんいて。ものすごかったです。

香川　ホテルはまあまあだったんですよ。でも、俺は町中には出られませんでした。道とかもすごくて。人も多いし、空気も独特だし、歩けなかったです。

森島　結局、ゲームばかりしていました。

―　期間はどのくらいだった？

森島　1か月くらいでした。

香川　3週間、3週間…

森島　あっ、3週間か。その後、バンコクに1日だけ寄ったんですけど、その時のバンコクは天国でした。

香川　確かに！

森島　サイッコーでした。速効でマックに行きましたもん。（笑）

―　吉田監督がとてもフレンドリーだったそうですね。

森島　めちゃくちゃ良かったんですよ。俺らがホテルにいると、「なに、まだ外へ行かんの？　自由にしていていいよ」って。お前ら、家におったらうるさいから出て行けー、みたいな感じで言われていました。（笑）サッカーも自由にやらせてもらえたし、わがままも聞いてもらえたし。ああいう監督だったからこそ、僕らの個性も生かしてもらえたんかなって思います。とにかく監督のおかげです。

―　そんなに自由にやらせてもらえていたんだ。

森島　監督に聞く前から、僕らがＯＫみたいな感じで。(笑)

香川　そうですね。(笑)

森島　「10時には帰ってこいよ」みたいな感じで。

香川　（笑）

森島　「明日試合だから、10時には帰ってこいよ」みたいな感じで。

―　森保コーチは親しみやすかったという話ですが。

森島　陽介が「おい、ポイチーっ！」っていじっていましたね。（笑）ヤッコさん（吉田監督）もいじられてたね。ポストプレーの時とかも「ヤッコーっ、ちゃんと出せよーっ！」って。「うるせーんだよ、おまえら！」って怒鳴り返されて。（笑）

香川　そうでした！（笑）

―　森保コーチのプレーは？

森島　ポイチさんはかなりクレバーな選手でしたね。（笑）練習の時とか、たまに手で押さえられたりしましたからね。練習なのに。（笑）普通にパスをインターセプトされたりしますからね。走りますからね。運動量がすごいですからね。菅原さんという人も普通に上手くて。トレーナーにもすごくいい人材がいて。総務も僕らのわがままを聞いてくれて。とにかく全員いい人だったんですよ。

―　カナダではゲームはしなかったんだ。

森島　ゲームは持って行っちゃいけなかったんですよね。でも、それは正解でした。カナダの街はきれいだし、スタバとかあるし、もう最高でした。カナダデーって、カナダの正月みたいなのがあって、花火があがったんです。みんなで見に行ったんですよね。僕、足の爪はがれていたのに行って。（笑）痛いのに行って。なにするわけじゃないんですよ。でも、みんなで行って。まるで高校生みたいに、みんなでただはしゃいでいましたね。

香川　花火良かったよね。

森島　なんだか修学旅行みたいでした。