「調子ノリ世代」「悪ガキジャパン」――それが彼らに着いた愛称である。スピード感あふれるゲーム展開、チームワークの良さ、吹っ切れ加減、新鮮さ、爽やかさ。サッカーファンに強烈なイメージを印象づけた2007年のU-20代表選手たち。そんな彼らが感じた自分たちをリレー形式でインタビューした。
― 最終予選のインド・バンガロールがすごかったそうだけど。

田中 いやあ、正直、インドにはもう行きたくありませんね…。全員、下痢のオンパレードだったんですよ。

河原 まあ、ホテルは思ったほどではなかったですね。でも、突然、シャワーが出なくなったことがありました。ちょうど亜土夢たちの部屋が前の部屋だったので、頭にシャンプーつけたまま、バーッっと走っていって流したりしたんですよ。(笑)

― インドの食べ物はどうだった?

田中 超インドテイストでした。

河原 コックさんが一緒に行ったわけではなかったので、食事は一般の人たちと一緒でした。でも、朝には日本風のオムレツやドーナツとか出ていましたね。でも、やっぱりカレーが多かったかな。カレーのほかにはパスタがあったんですけど、それもあんまり美味しくありませんでしたね。でも最初はカレーを食べるよりましだったので、なんとか食べていました。でも、最後の方にはカレーも好きになってきて。(笑)

― もしかすると、生野菜サラダとかあったんじゃない?

河原 はい? 普通に食べていましたけど。

― 下痢の原因はそれだ! 生野菜には生水がついているからおなかを壊しやすいんだよ。

田中 でも、俺、下痢しなかったですよ。(笑)

河原 梅がひどかったですね。

田中 あと槙野?

河原 僕も一度なったくらいですね。最終予選前にインドに遠征に行っているんですけど、その時がひどかった。2回目はそんなにならなかったです。

田中 最初に遠征に行っておいて良かったですよね。

河原 今だから思うけど、そうだよね。

― 田中くんは一度目も下痢しなかったの?

田中 大丈夫でした。(笑)

― 鉄人?(笑)

田中 (笑)

― カナダでの暮らしはどうだった?

河原 インドに比べれば、カナダの環境はまるで天国のようでしたね。

田中 観光地だからきれいでしたし。

河原 うん、めちゃくちゃきれいだったね。

― 食事は?

河原 良かったですよ。ホテルでも日本食っぽいのが出てきましたし、ごはんもちゃんとねちゃねちゃしたものが出てきたし。(笑)僕らがいたヴィクトリアでは日本食がはやっていて、街中には日本食レストランとかもけっこうあったので、そこに行ったりしました。

― 前評判の高かったスコットランドとの試合はどうだった?

河原 スコットランドはヨーロッパ2位で上がってきていたので、確かに前評判は高かったんですよ。だけど、僕たちも先手先手で攻められたから、うまくいきました。とはいえ、僕はチャンスを何度も外してしまったので…。動き出しの部分ではまったく問題なくって、シュートまで行けていたんですけど、最後のフィニッシュの精度が低かったんですよね。みんなから「決めてくれよー」って言われて。(苦笑)

田中 監督からも、初戦が大事だということを言われ続けてきたし、そこに照準も合わせて練習もしてきたんです。僕もいい形で動けたし、第1戦に勝てたことで、次の試合にいい形で入れたと思います。

― コスタリカ戦は?

河原 僕はコスタリカはいやでしたね。向こうも引いていたから、奪われてからのカウンターがはまっちゃうし。そういう意味ではこっちもラインを引かなければならなくて、僕ら前線はかなり無理をしてディフェンスをしなくてはいけなくて。やりにくかったし、すごくきつかった試合ですね。

田中 でも、けっこう失点することが多かったから、無失点で終わったのはよかったですよね。

河原 そうだね。コスタリカの選手の個人能力がすごく高いから、あまり組織では守ってこないんだけど、個人の対応がよかったよね。よく失点しなかったなあ…と思いますね。

田中 我慢強く戦ったことが次に繋がったと思います。

アルビレックス新潟

河原和寿   
Kazuhisa KAWAHARA
ポジション: FW
生年月日: 1987/01/29
身長/体重: 173/65