ストリートビューの問題点は、どこにあるか? それを論じる。
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ストリートビューの問題点は、どこにあるか?
これについては、(高木氏 を含めて)多くの人が勘違いしているようだ。「交通違反をするのが悪い」とか、「説明文句が不正確なのが悪い」とか。
だが、ストリートビューは、交通法規の問題でもないし、宣伝や説明の字句の問題ではない。つまり、交通法規を守ればいいということはないし、宣伝や説明の字句を直せばいいというものでもない。
では、何か? これは、情報の問題であり、セキュリティの問題なのだ。
第1に、情報の問題である。個人情報という情報だが、とにかく情報の問題だ。
第2に、セキュリティの問題だ。ここにはセキュリティのための(ファイアウォールでなく)現実のウォール(壁)がある。塀や垣根だ。こういう壁は、今までまともに機能していた。しかるに、Google はこの壁を乗り越える装置を作ってしまった。そのせいで社会的にセキュリティが脅かされることになった。
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以上の意味で、Google のストリートビューとは、社会におけるウィルス同然なのである。(!)
こういう新規の(新時代の)悪に対して、既存の法律の枠組みのなかで合法的か否かを論じることは、あまり意味がない。
たとえば、かつて、コンピュータ・ウィルスを取り締まる法律がないときに、既存のウォールを乗り越えて暴れた連中がいた。(当時はハッカーという言葉で呼ばれた。)
彼らは、「取り締まる法律がないから合法さ」とうそぶいて、企業や社会に大迷惑をかけた。法律が現実に追いついていないのを利用して、さんざん勝手なことをした。
そして、それと同様のことを現在やらかしているのが Google だ。
とすれば、われわれは、これを合法かどうかで論じるよりは、もっと高い視点から論じるべきだ。そして、その際、「情報」および「セキュリティ」という概念が有益となる。
ストリートビューについて考えるときには、常に「情報」および「セキュリティ」という概念を念頭に置くべきだ。また、この二つを一語で要約して、「プライバシー」または「個人情報」というふうに言い換えてもいい。とにかく、そういう発想が必要だ。
そして、そういう発想があれば、交通法規や説明文などはどうでもいい、とわかるだろう。大切なのは、われわれの情報が脅かされていることなのだ。あくまで情報の問題なのだ。
こういう現状に対して、「技術の進歩はすばらしい」と称賛する素人も多いが、彼らには危険性が理解できないのである。
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この話は、とりあえず、これでおしまい。
さらに突っ込んだ話は、11月11日以降に記したので、そちらをご覧ください。
【 注記 】
本項は「ストリートビューの悪質性」というタイトルで公開しましたが、改題しました。
また、「未完」と表示していましたが、その表示をなくしました。すでに記述した分だけで完結の扱いとし、残りは別項に記述することにしました。(上記)
2008年11月03日
◆ ストリートビューとセキュリティ
posted by 管理人 at 00:26| Comment(2)
| Google
(個人的には)グーグルが個人情報の漏洩を意図してやってる訳じゃないんだから、ストリートビューは問題無いと思いますけれど。
まぁ仮に法律上問題があったとしても、ストリートビュー利便性の方が優先されるような気が。。世の中、法律が全てじゃないと思いますしね。
ストリートビューは、新しい技術であり、確かにマイナス面もあるとは思いますが。プラス面の方が圧倒的に大きいと思います。
私自身、プライベートでも仕事でも、どこかに出かける場合は、グーグルマップ&ストリートビューを良く使います。ストリートビューで場所を確認して出かけた場合、殆ど道に迷わないのでホント助かってますねー。
馬鹿の見本として、さらしておきます。