2008年11月18日

◆ Google 使用禁止を

 Google は危険だ。だから、Google のサービスについては「使用停止」を命じた方がいい。特に企業や政府は、組織内の「使用禁止」を命じた方がいい。
(ただし、「 Google が現状のままであるならば」という条件のもとで使用禁止。また、検索だけは使用可。)

 ──

 Google は少しも反省していない。危険性を指摘されても、直そうとする気配すらない。
 とすれば、一般社会の側で「使用停止」を促すべきだ。国が一般人に命令することはできないが、企業や政府が組織内でガイドラインを出すことはできる。
 企業や国はかつて、「 Winny 使用禁止令」を出したことがあった。それと同様に、「 Google 使用禁止令」と出すべきだ。どっちみち、「内部の機密情報が漏れる恐れがある」という点では、同様である。いや、すでに、情報漏洩は起こっているのだ。
  → マイ・マップの現状2
    (学校の個人情報がマイ・マップから漏れた事例)

 Google のサービスは、Winny と同じように違法な情報漏洩ツールとなってしまっている。とすれば、「 Winny 使用禁止令」を出したのと同様に、「 Google 使用禁止令」と出すべきだ。
 実際、情報漏洩事件は、しばしば起こっているのだから。(上記)

 最近の学校では、クラス名簿を作ることすら怯えていることがある。その一方で、こういうふうに Google のサービスを通じて大々的に個人情報を全国に垂れ流ししてしまう。馬鹿げたことだ。犯罪でもないことに怯えながら、犯罪そのものに鈍感でいる。
 クラス名簿を作ることに怯えるよりは、マイ・マップその他による情報漏洩に怯えるべきなのだ。したがって、Google のサービスの全面的な使用禁止を決めた方がいい。



 ただし、使用禁止を決める前に、次の条件がある。
 「 Google が現状の危険性を改めなければ」
 この条件は、もちろん満たされている。だから、さっさと使用禁止を決めていい。ただし、将来的に、Google がサービス内容を改めれば、その時点で、使用禁止を解除してもいい。

 逆に言えば、Google には是非ともなすべきことがある。それが何であるかを、以下で示す。

 ──

 Google のなすべきことは、次の (1)(2) である。

 (1) 操作性の改善

 操作性について、次の4点の改善が必要だ。
  •  初期設定を「公開」でなく「非公開」にすること。
  •  設定の種類に「限定公開」だけでなく「非公開」を含めること。
  •  危険な操作(公開)については、操作の前に警告すること。
  •  操作した結果の状況(設定)を、常に表示しておくこと。
 現状では、操作ミスも多発している。この場合には、「ユーザーのせいだ」と責任転嫁するより、「操作性を改善する」という措置が必要だ。これは Google の義務である。義務が果たせないのであれば、ユーザーは利用をやめるしかない。

 (2) 基本システム

 細かな操作性とは別に、基本システムを、根本的に「誤操作」から隔てるべきだ。
  ・ 公開情報の可能な「ソーシャル・マップ」
  ・ 非公開情報のみの「プライベート・マップ」

 この双方をはっきりと区別して、別のサービスにする。つまり、
 「個人情報を秘匿するか/公開するか」
 という区別が、サービス利用の最上位の大枠として、決まる。その大枠のなかで、細かなサービスが決まる。そうすれば、問題はない。
( ※ これは、すでに「マイ・マップの将来」の項で説明したとおり。)

 ──

 なお、ここでは、次の方針がある。
 「もともと間違いが起こらないように制度設計をする」
 こういう方針があれば大丈夫。
 逆に言えば、次のことはダメである。
 「もともと間違いが起こりやすいように制度設計をした上で、間違いが起こらないように、さまざまな防護策を複雑に用意して、その防護策をすべて満たした場合にのみ間違いが起こらないようにする」
 こんなことではダメだ。こんな方針を選ぶ限り、ヒューマンエラーは避けられない。いつか必ず事故が起こる。そこでは、制度設計の仕方が、根本的に間違っている。
 制度設計そのものが、操作ミスによる漏洩を起こさないようにする必要がある。
 逆に、操作ミスを起こりやすくして、「問題はユーザーの責任です」というふうに責任転嫁聴するのは、三流企業のやることだ。



 [ 付記1 ]
 Google のサービスを使わなくても、大丈夫だ。他のサービスがあるからだ。たとえば、Yahoo のサービスだ。
 以上で述べた「 Google の義務」という条件は、Yahoo はすでに満たしている。だから、ユーザーとしては、Yahoo のサービスを使えばいい。(次項)

 [ 付記2 ]
 なお、Google のサービスについては、必ずしも「全面禁止」というわけではない。使っていいものもある。使っていいのは、次の二つだ。
  ・ 検索
  ・ Google ニュース

 この二つは、使っていい。しかし、それ以外については、全面的に使用禁止を決めるべきだろう。

( ※ なお、もう少し許容範囲を広げるなら、Google のサービスについて、「見るだけならばいいが、書くのはダメ」となる。マップのサービスも、「見るだけならばいいが、書くのはダメ」だ。……ただ、その区別はつきにくいから、一律で「利用そのものがダメ」と決めた方がいい。)

 [ 付記3 ]
 特に教育分野では、ストリートビューを全面禁止するべきだ。これを許容することは、生徒の倫理観を損なう。次のように。
 「便利ならばいいのさ。他人のプライバシーなんかどうでもいい」
 「他人の家を覗いたっていいのさ。抗議されたら、やめればいい」
 「自分さえ良ければいいのさ。たとえ人に迷惑をかけても」
 こういう形で、生徒の倫理観を損なう。当然だ。犯罪者の提供する道具を利用すれば、犯罪者の仲間となるからだ。
 その意味で、次のように教える方がいい。
 「犯罪者の提供する便利なものを使ってはいけません。甘い言葉に誘われて、犯罪に加担してはいけません」
 こういうことを理解できないと、「便利ならばいいさ」という馬鹿者の見解を取ることになる。
( → 馬鹿者のコメント例

( ※ ただし、反面教師としてならば、教育の道具になる。「自分さえ良ければいい」と思って情報公開すると、他人に自分の情報を公開されてしまう。各人がエゴイズムで動くと、全員が損する。……そういうことを教える反面教師とはなる。)( → マイ・マップの重大問題 の「追記1」)

 [ 付記4 ]
 Google は、ブランド力で優勢だ。だが、そんなブランド力を信じなければ、Google のサービスなんか、なくたって構わない、とわかる。
 Google の方が明らかにいいのは、検索だけだ。それ以外は下らない、と思った方がいい。(次項を参照。)
posted by 管理人 at 18:50| Comment(0) | Google
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