2008年11月18日 18時1分更新
3年前、川崎市の市立川崎病院で手術を受けた男性が「脳に重い障害が残ったのは人工呼吸器の点検が不十分で正常に作動しなかったためだ」として市に損害賠償を求めていましたが、川崎市は、人工呼吸器の安全確認を怠ったことを認めて9000万円余りの賠償金を支払い和解することになりました。
川崎市によりますと平成17年6月、川崎市川崎区の市立川崎病院で、当時40代の会社員の男性が手術の後、人工呼吸器が正常に作動しなかったため心臓や肺の働きが低下して脳に酸素が送られなくなり言葉や記憶などに重い障害が残りました。
男性は「医師らが人工呼吸器を使う前に点検していれば障害を受けずに済んだ」と主張し、ことし3月、川崎市に2億3800万円余りの損害賠償を求める調停を裁判所に申し立てましたが、ことし4月、病気のため死亡しました。
この申し立てについて、川崎市は、人工呼吸器の安全確認を怠ったミスを認め裁判所の調停にしたがって、9560万円の賠償金を男性の遺族に支払うことを決め遺族の同意が得られたことから和解することになりました。
川崎市立川崎病院の長秀男院長は「人工呼吸器の点検を徹底し、このようなことが2度と起きないように努めたい」と話しています。