東予地域で唯一、地域周産期母子医療センターに認定されていた住友別子病院(新居浜市王子町)が、医師が確保できないため、9月末で産婦人科の診療を休止していたことが分かった。同病院は9月末にセンターの辞退届を県に提出し、10月初旬に受理された。県は「できる限り早期に適切な病院を決め、認定したい」と話している。
周産期母子医療センターには、産科病棟や新生児集中治療管理室などを備え、リスクの高い妊娠などに対処できる「総合センター」と、産科や小児科などを備え、比較的高度な医療行為ができる「地域センター」がある。県内では、総合センターが松山市内に1カ所、地域センターが東・南予に1カ所ずつと、中予に2カ所あった。
同病院によると、産婦人科には3人の常勤医がいたが、派遣元の県外の大学側から医師引き揚げの要請などがあったため、診療体制を確保できなくなり、9月末で同科を休止したという。
県健康増進課や県立病院課によると、東予地域には、産科、小児科共に備えた病院が4カ所ある。また、今年4月に産婦人科が新設され、婦人科の診療が始まった県立新居浜病院では、12月中にも産科の診療も開始できるよう準備を進めているほか、小児科医も同5月に3人に増員されており、周産期医療を始める予定という。【加藤小夜】
毎日新聞 2008年11月18日 地方版