神戸市第2次救急病院協議会(吉田耕造会長)は、休日や夜間、子どもの入院、手術に対応する当番病院について、12月から当面の間、新聞向けの公表を中止することを決めた。本来は重症患者を受け入れる「2次救急」に、新聞を見た多数の軽症患者が押し寄せて医師に負担がかかり、当番制の維持が難しくなっているのが理由という。市医師会は新聞向けの公表中止に伴い、軽症の子どもの「受け皿」となっている、急病診療所の休日診療時間を12月から拡大する。
救急指定病院は、初期救急(入院、手術を要しない)▽2次救急(入院、手術を要する)▽3次救急(2次救急で対応できないもの)--に分担し、診療している。だが、同協議会は新聞に掲載されている2次救急を、多くの軽症患者が併記されている初期救急と同様に受診していると説明。元々、不足している小児科医にさらに負担がかかっているという。
市の調査では、市内の小児科病院・診療所は03年度に391施設あったが、開業医の高齢化などで07年度は344施設に減少。53病院が参加する同協議会でも、小児科の当番は11病院にとどまる。
市地域保健課によると、他の自治体では医師会の急病診療所が休日夜間に初期救急の受け皿になるケースが多い。だが、同市の急病診療所は24時間体制ではなく、軽症でも2次救急に駆け込まざるを得ない状況が続いてきたという。このため同市中央区橘通4の急病診療所では12月7日から、夕方から深夜までだった小児科の休日診療時間を、午前9時から午後11時40分まで拡大する。
市による救急医療機関の電話案内(078・846・0099)や、インターネット「こうべ救急医療ネット」による当番病院の案内は継続される。
同協議会は「医師が疲労困ぱいしている。もう少し重篤な患者さんに受け入れを絞りたい」と話している。【竹内良和】
〔神戸版〕
毎日新聞 2008年11月18日 地方版