館林厚生病院(宮城修院長)の小児科医らが9月から7回にわたり、地域の保護者向けに講座を開いている。急な発熱や腹痛など子供に起きやすい症状と、想定される病気や対処法などを解説、軽症でも夜間・休日に総合病院に飛び込む「コンビニ受診」の抑制につなげたい狙いもある。
講座は同病院の引間昭夫医師を中心に実施、写真やチャート式の表を使って症例を細かく説明する。11日の講座では「腹痛は便秘から盲腸まで症状の重さに幅がある。水分がとれない、顔面蒼白(そうはく)の時はただちに受診を。痛みが横ばいの時は経過観察し、夜なら翌日、かかりつけの開業医を受診して」などとアドバイスした。
また、総合太田病院(太田市)や桐生厚生病院(桐生市)の医師が小児科医が足りない現状を力説。「お母さん方の心配は分かるが、焦って受診する必要があるかどうかは別問題。総合病院は低体重児や重い心臓病の子供も診ている」として、保護者の意識改革を呼びかけた。
参加した母親(34)は「具体的な対処法が分かり、不安が解消した」とほっとした様子だった。講座を支援する県医務課は「核家族化や少子化の影響で、保護者は相談相手や経験が減っている。医師の負担軽減にもなれば一石二鳥」としている。【鈴木敦子】
毎日新聞 2008年11月18日 地方版