岩手県奥州市で民生委員を務める先輩記者のY氏が今月13日、入間市民生・児童委員協議会の全体研修会で講演した。演題は「福祉のまちづくりにおける民生委員の役割」。少々堅苦しいものかと思っていたが、静かな語り口にも笑いを誘う独特の話術で2時間があっという間に過ぎた。受講者240人は、市産業文化センターの座席から一人として立たなかった。
46年にわたる記者生活の裏話も興味深かった。「(書かれる)相手の立場を考えろ」など記者としての教訓を、そのまま民生委員活動に応用していた。震度6強の「岩手・宮城内陸地震」の実体験から、行政に加え防災ボランティアとも普段から顔をつなぐように努力しているという。「担当している人のかかりつけ医師や薬の保管場所まで把握すること」と力説する元記者のバイタリティーには、敬服するばかりだ。【藤川敏久】
毎日新聞 2008年11月18日 地方版