(2008年11月15/16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
景気刺激策として4兆元の大規模投資が発表されたが・・・
〔AFPBB News〕
中国政府は11月14日、先に発表された4兆元の景気刺激策うち、中央政府の支出が4分の1強にとどまることを認めた。
このニュースは、公共投資の経済活性化効果に新たな疑問を投げかけることになった。
中国政府の経済計画機関である国家発展改革委員会の穆虹副主任は、北京中央政府は今後2年間で歳出を1兆1800億元(約1720億ドル)拡大すると発言した。景気刺激策の残りの新規資金は、地方政府と国営の銀行および企業が拠出することになる。
2年間の景気刺激策が発表されたのは9日日曜日、中国経済が予想より速いペースで減速していることを示す一連の統計が発表される前のことだった。景気刺激策の総額は、今後2年間にわたり、毎年GDP(国内総生産)比7%超の追加支出を示唆するものだった。もっとも多くのエコノミストは、実際の景気対策の規模はそれよりかなり小さくなると見ていたが・・・。
予想以上に悪い経済統計から目を逸らす狙い?
「収入が落ち込む中で、地方政府や銀行、企業がどうやって4兆元の残りを負担できるのか分からない」。上海在住のスタンダード・チャータード銀行のエコノミスト、スティーブン・グリーン氏はこう言う。「景気刺激策の発表は、一連の悪い統計が出る前に派手な見出しを打ち出す狙いだったことがはっきりしてきた」。
中国の地方政府は既に資金難に陥っている。不動産市場の減速により、土地売却から得られる歳入が激減しているからだ。また、地方政府は新規投資の資金調達のための債券発行を禁じられている。ただ、ある政府高官は、この制度は見直しされているところだと話す。
一方、中国の4大国営銀行のうち3行は今や上場企業であり、政府指導の下での新規融資の拡大に以前ほど前向きではないかもしれない。
中国政府は14日、固定資産投資の伸びが9月の27.6%から10月は17.2%に減速したと発表。11月半ばに発表された統計では、工業生産、輸入、税収、住宅価格がいずれも大幅に減速していることが明らかになった。
エコノミストの中には、大規模な景気刺激策が即座に実行されなければ、中国の年間経済成長率は5%程度まで減速すると予想する向きもある。
不透明要因が払拭されれば、数カ月で回復との見方も
だが、最近本紙(フィナンシャル・タイムズ)の取材に応じた企業経営者の中には、足元の販売減速は需要減を反映したものではなく、先行き不透明感から企業が在庫削減に動いた結果だと見る人もいる。ある化学会社の経営者は「一部の不透明要因が払拭されれば、数カ月後に事態が元通りになる可能性がある」と話している。
一方、中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は、中国のインフレリスクは「基本的に消滅した」と語り、今後の政策の焦点は「デフレの可能性を排除し、安定的な経済成長を確かなものにすることだ」と述べた。
副総裁はさらに、中国は世界的な金融危機に対抗する取り組みに「積極的に参加する」と語り、国際通貨基金(IMF)との協力や2国間の通貨スワップ協定に前向きな姿勢を表明した。
ありがとうございます。皆様の評価・ご意見をお寄せください
ご利用にあたっては、会員登録をお願いいたします。
