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サクセス・ジレンマ

2008年11月18日

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 「失敗は成功の母」というが、逆もまた真である。

 1980年代は日本の時代であった。日本からの怒濤(どとう)のようなハード製品の流入に、米国などは震撼(しんかん)した。アンチテーゼとして構築されたソフトを中心とした情報化社会にその後、日本は苦汁をなめることになる。

 「ソフトがなければ、いかなるハードもただの箱」などというキャッチフレーズが叫ばれた。その情報化社会が、いま危機を迎えている。

 ある事業、分野で一世を風靡(ふうび)するためには、そのコンセプトはユニークでないといけない。だが、モデルがユニークであればあるだけ過信を生み、事業を暴走へと導き、ときに破滅へと至る。これを「サクセス・ジレンマ」という。

 その意味では、あらゆる事業は成功している時が最も危ない時である、と言えるであろう。一代の寵児(ちょうじ)が奈落の底に落ちていった例は枚挙にいとまがない。

 「勝ってかぶとの緒をしめよ」とはよく言ったもので、その衰退の原因は、絶頂期において作られているのである。

 成功は失敗を生み、その失敗はまた成功の母となる。その連続が、歴史を作っていく。こう考えてくると、現在やるべきことは、いたずらに悲観的になることではない。ジレンマの反転に備えるべきだ。

 「オマハの賢人」とも呼ばれる米国の投資家、ウォーレン・バフェット氏は、失敗を成功へとつなぐ達人のようだ。

 彼の投資哲学は「良き会社の株」を「底値」で買って「保持すること」である。そのバフェット氏が、資金の出し手として動き出した。ジレンマ反転の時期に思いを巡らす時が来たようだ。(可軒)

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