グループ一括仕入れで食材調達の効率アップ

 ゼンショーグループは、「なか卯」を2005年3月にM&Aで傘下に収めている。なか卯はすき家同様、大手牛丼チェーンと思われがちだが、「立地で競合しておらず、メニューもなか卯はうどんと丼物がメーンで、すき家とカテゴリが異なるので問題ない」(ゼンショー)という。

 それよりも「大量仕入れなどが可能になるスケールメリットが大きい」(ゼンショー)と、食材調達の効率アップを挙げる。ゼンショーグループには、すき家やなか卯のほかに、ハンバーガーの「ウェンディーズ」やファミリーレストランの「ココス」を始めとして、多数の外食チェーンがある。これらのグループでまとめて世界中から食材を輸入・購入し、消耗品なども一括調達することで、コスト削減を図っているというわけだ。

 ライバルの牛丼チェーン「松屋」は、牛めし(並盛)を30円値上げするなど、9月から一部商品の価格を上げた。だが、ゼンショーは「材料が高くなり、輸送コストもアップしているが、企業努力で価格は据え置く。さまざまなものの値上げが続く、今がチャンスだと考えている」という。

 グループのスケールメリットを生かした価格戦略と積極的な出店攻勢は後も続きそうだ。

「なか卯」(画像クリックで拡大)

ハンバーガーチェーンの「ウェンディーズ」(画像クリックで拡大)

(文/根本佳子)