カブール(CNN) アフガニスタンのカルザイ大統領は16日、記者団との会見で、イスラム強硬派勢力タリバーンの最高指導者オマル師が和解交渉に応じる意向を示した場合は、同師の身の安全を保証するために「どんな労もいとわない」と述べた。
カルザイ大統領は、「オマル師がアフガン訪問や和解交渉の用意があると表明した場合」を想定し、「私がオマル師の保護を求めることに国際社会が反対するなら、2つの選択肢がある。私を排除するか、かれらがアフガンを去るかだ」と言明した。
オマル師は米同時多発テロで国際テロ組織アルカイダ最高指導者オサマ・ビンラディン容疑者をかくまったとされ、米国が1000万円の報奨金をかけて行方を追ってきた。カルザイ大統領の発言は、同師の拘束または殺害を目指す米国の姿勢と一線を画すものとして注目される。
カルザイ大統領は今月初め、CNNとのインタビューで、オマル師に暴力停止を呼び掛けるメッセージを送ったことを明らかにしていた。CNNが匿名の消息筋から入手した情報によると、アフガン政府は9月、アブドラ・サウジアラビア国王の仲介で、同国のメッカでタリバーン代表者らとの直接交渉に臨み、対話による和解成立で合意に達したとされる。第二回の協議は来月予定されているという。