「貢献」など 条件大幅緩和
外国籍を取得した韓国人は韓国人ではない。代表例が、元在日韓国人4世の秋山成勲だ。
2002年の釜山アジア大会で、柔道日本代表として出場した秋山は、決勝で韓国の安東珍を破って金メダルを獲得した。ある韓国紙は「祖国を投げつけた」という見出しで試合を報じた。国籍を変えてまで大会に臨んだ秋山の心中は複雑だったに違いない。
韓国政府は現在、大統領直属機関「国家競争力強化委員会」を中心に、二重国籍の取得条件を大幅に緩和しつつある。主な目的は、海外の優秀な人材を確保することだ。海外に養子縁組された韓国人と結婚によって韓国籍を取得した外国人、国内に住む華僑(台湾籍)などについては、権利向上のため二重国籍取得を積極的に検討している。
政府は4月、兵役やそれに代わる一定の社会奉仕活動を終えた男性と、女性、特殊技能を持った外国人などに対して二重国籍を容認する方針を定めている。また、韓国に200万ドル以上を投資するか、5人以上の韓国人を雇った外国人、博士以上の学位を持つ外国人など、経営・教育・文化・芸術・体育の分野で韓国に貢献した外国人に二重国籍を認める方向で法改正を検討中だ。
二重国籍保有が可能になれば、秋山のように数世代にわたって韓国籍を保持してきた在外韓国人が、国籍問題で悩むことは大幅に減少するものと見られる。(ソウル・李民皓)