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印刷2008/11/14 23:05

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[G★2008#12]「Diablo III」のアートデザインは,どんな過程を経て生まれるのか?

 世界中のゲーマーからの期待を集めている「Diablo III」で,コンセプトアートなどを担当しているJeff Kang氏による,「Diablo III Environment Art」という講演が行なわれた。これは,G-starに併催されている開発者向けのイベント,Korea Game Conference 2008の中で行われたセッションの一つで,Dialo IIIの開発工程が当事者から直接語られるという貴重な機会であった。

 Kang氏が最初に説明したのは,Diabloシリーズについて。Kang氏によるとDiablo IIIは,「Diablo II」以降のストーリーが描かれているという意味において,正当な続編にあたるのだそうだ。だがDiablo IIが1作目をそのまま拡張したようなものだったのに対し,Diablo IIIはデザイン面でまったく異なる作品になるとのこと。

 以前,Diablo IIIのアートに不満を持った人達が変更を求めて署名活動をしたという話をお伝えしたが,こういった反発が起きることは,ある程度想定されていたようだ。
 不満の内容として,「ダンジョン内が明る過ぎる」といったことが挙げられていたが,これは狙ってやっているもので,変更する予定はないそうである。そしてなぜ明るくしたのかという疑問に対しては,「ゲームをより分かりやすく,プレイしやすいものにするため」であると明言された。
 DiabloとDiablo IIは,画面が暗すぎてどこに行けばいいのか分からなくなるといったことが起きていたが,そうしたことにプレイヤーがストレスを感じるのは無駄であるという判断がくだされ,全体的に明るくするという方針がとられることになったのだそうだ。
 また,ゲームで使う色の数も格段に増やされており,過去の作品と比べると,かなりカラフルになっている。ドロップアイテムも鮮やかな色のものが増え,いかにもアイテムですといわんばかりに,一目見ただけですぐに分かるようにしているのだという。
 カラフルになったことに対しては,「リアルじゃない」という不満も寄せられたそうだが,「そもそも存在しないものに対してリアルかどうかを問うのはナンセンス」という考えのもと,遊びやすさ,分かりやすさを重視して,マップのデザインなどを決めていったのだそうだ。


Jeff Kang氏
 こうしてデザインの方向性を決めてから,実際の開発作業がスタートする。
 まず,デザインの方向性を決める段階では,ブレインストーミング(ブレスト)を行なうのだが,これには,アートに関わっていない人をはじめ,場合によってはゲーム開発にすら直接関わっていない人も加わり,意見を出し合う。
 この段階では決して他人の意見を否定せず,とにかくアイデアを出すことに集中。何度もブレストを行ない,徐々に方向性を固めていくそうだ。方向性が決まったあとに,細かい内容をつめていく。
 例えば,Diablo IIIには破壊できるオブジェクトが存在するのだが,どのオブジェクトを破壊可能にするのかといったことについて,デザイン画をもとに詳細を決めるのだという。このあたりの過程をKang氏は「Stage 1」と定義した。

 そして「Stage 2」ではプロトタイプを作り,それをもとに問題点などを洗い出す。ここで制作するプロトタイプはテクスチャーなどもなく,本当にシンプルで,あくまでもStage 1で決めた方向性でいいのかどうかを判断するためのもの。この時点でNGが出ればStage 1からやり直すことになるので,プロジェクト全体の進行スケジュールを守るためにも,プロトタイプの制作は迅速に行う必要があるという。

 プロトタイプにOKが出れば,「Stage 3」へ移行する。Stage 3は,プロトタイプへの肉付け作業が行なわれる工程だ。Stage 1には社内のあらゆる人が関わっていたのに対して,Stage 3はかなり少ない人数になるという。具体的な人数は明かされなかったが,全員がゼネラリストで,さまざまな内容をこなしていくらしい。
 ゲームのクオリティアップのためには発売延期も辞さない姿勢を,これまで頻繁に見せてきたBlizzard Entertainmnetなだけに,職人タイプの専門家が集まっているのかと筆者は勝手に思っていたのだが,そんなことはなかったようだ。
 Stage 3に必要なのは,一つのことを徹底的にこなすタイプの人間ではなく,さまざま種類の作業を同時にこなせる,マルチタスクな人材が求められているのである。
 また,この段階での作業はすべて共有化されており,一人が新たなものを作れば,それはほかのメンバーも使えるようになる。いわゆる「ローカル作業」と呼ばれるものは存在しないのだ。
 少数精鋭で作業を進め,データの完全共有化を行なうのは,すべて効率のアップが目的。人が多く関わるようになればなるだけ,さまざまな意見の衝突が起きやすくなる。少ないメンバーで意思統一を図りつつ作業を行なっていくのだ。

 「Stage 4」は,ここまでに積み重ねてきたことに従い,完成を目指しして作業を行なうという最終段階である。Kang氏は明言こそしなかったが,Stage 4の説明をしたということは,Diablo IIIの完成も見えつつあるといことなのかもしれない。
 開発者向けの講演のためゲームの新情報こそなかったが,世界的な期待作の開発過程が聞けたのは有意義であった。とりあえず,Blizzard Entertainmentは,スペシャリストよりもゼネラリストのほうが就職しやすそうだ。

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    Diablo III(Macintosh)

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