2008年 10月 06日
日本は最後の社会主義国家か?PART5 |
中国経済は明日にも崩壊するという主張が、少なくとも5、6年前から巷をにぎわせているが、依然として10パーセントの成長を続けている。中国の統計は真っ赤なうそであるという人もいるが、中国各地へ行ってみると、瀋陽ヤフフホトなどの地方都市でも高層ビルが林立し、若い家族連れが、BMWやベンツの高級車に乗ってショッピングに来ている姿を目にしてショックを受ける。
中国経済の発展が軍備拡大を支え、強大な軍事力が国際政治上の発言力を強め、それが経済発展をますます促進するという大規模な「好循環」は既に始まっている。
これに対する日本のシステムはあまりにも脆弱だ。「中国株式会社」の不公正取引に真正面から対抗できる政治家・官僚は少ない。
それどころか、明治以来の18歳や22歳のときのペーパーテストで選別され、70歳まで保証された国家公務員のキャリヤシステムで温室培養された官僚は、中国の謀略には、簡単に手も無くひねられる。
中国に対する6兆円のODAの供与などは、相当の割合で日本のゼネコンに跳ね返ってくるか らいいにしても、中国東北部に日本が置き去りにしたと中国が主張している生物兵器の弾薬処理に1兆円プレゼントしている。しかし、弾薬処理の現場に行ったら、土の上に金になる銅版部分だけ抜き取った旧日本軍の弾薬が数本転がっていただけだったと報道されている。
また、民間企業の技術者ときたら官僚以上に脇が甘いから、中国や韓国からの高給かつ高待 遇の誘いにやすやす乗ってサムスンやらレノボに革新的ノウハウを与えてしまう。私利私欲で日本人は生きているので、あまりに私権が強く、公共工事も進まない。このような日本の現状では、もの造りで食べていくというのも暗雲が垂れ込めている。
今日10月6日付けの朝日新聞1面にも出ていたように(断っておくが、小生は朝日だけ読む者ではない。)5年前には、日本が世界で47パーセントのシェアを誇っていた太陽電池の分野でも、画期的な技術がドイツやインドやアメリカ辺りで開発されつつあり、日本のシェアは、20パーセント台まで落ち込んでしまったとのこと。
ネット言論の多くを見ると、日本国内の官僚やモラルのない経営者や技術者には、何の反省も問題提起も行わないで、「中国は崩壊する。シナはけしからん。」とアジテーションを繰り返している。
だが、中国はしたたかである。ロンドン在住華僑、グッチの特許部門責任者、全莉(ぜんり)(47)の全世界のメディアが何百回も報道しているNPO活動などを見ると、先の戦争中、蒋介石夫人の宋美齢氏がワシントンで連邦議員を前に熱弁を振るい、流暢な英語と米国の価値観を理解する美しい帰国子女の魅力が米国世論を中国に引きつけた。一方で日本は辛酸を極めた。その伝統を今も見る思いだ。
これを「プロパガンダ」と言ってしまえばそれまでだが、欧米諸国でも、政府が外国の世論に働きかけるかたちで国家の対外イメージを改善する方法は「パブリック・ディプロマシー」(広報外交)として重視されている。民間で活躍する魅力的な文化人やNGO、NPO活動に政府広報がのるのは当然なのだ。
この中国株式会社の戦略を跳ね飛ばすためには、真の国力を涵養しなければならない。そのためには、明治以来、温存され、時代に合わなくなった霞ヶ関官僚制度を破壊しなければならない。また、日本文化に憧れを持つかあるいは協調し、かつ、カナダのように80万カナダドルを保有する移民はどんどん受け入れて、国力を高める必要がある。1000万人の移民は欲しいところだ。
しかし、昨今の原油高騰で、エネルギー問題が深刻化しているが、経済官僚の天下りと天下り先の私物化で、石油公団は海南島の石油開発で失敗し、果実を全部中国にプレゼントした。また、アラビア石油はサウジで鉄道建設への協力要請の調整に失敗し、石油利権を全て失った。いずれも霞ヶ関官僚の縦割り行政の弊害だ。
一方石油に代わる原子力発電については、処分場の確保にせよ、多くは民間任せ。国が責任を負う姿勢はなかなか見えてこない。政治家も票にならないから腰が引ける。2、3年で担当が代わる官僚は長期的視点に立った責任ある政策は先送りしがちだ。いずれ事業者が原発事業に嫌気をさし始めたら、日本は原子力先進国どころか後進国になりかねない。
日本はかつてエネルギーで戦争を起こし、エネルギーで負けた。それを教訓としなければならない。けれど、何ら教訓は生きていない。
巨額の国費を投入しては失敗に次ぐ失敗、死屍累々の投資プロジェクトばかりである。経済産業省出身官僚主導の石油開発や建設官僚主導の地方港湾や空港がそれに当たる。今や、明治維新と同様の改革が日本に必要なのである。この分だと今日のTVタックルで福岡政行が言っているとおり、総選挙は、200パーセント民主党が勝つだろう。
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