▽適切受診の必要性強調
勤務医の過重労働や医師不足による医療現場の状況を知ってもらおうとの公開講座「人と向き合う地域医療を目指して」が十六日、周南市の周南総合庁舎であった。医師らが「症状に合わせて病院を受診して」と患者側へ理解を求めた。県医師会と徳山医師会などが主催した。
順天堂大医学部の田城孝雄准教授は基調講演で医療現場の疲弊を防ぐため、「患者側が適切な受診を選択する必要がある」と強調。初期診療には診療所など「かかりつけ医」を持つ必要性を訴えた。
周南市立新南陽病院の小田裕胤院長は、県医師会が昨年度実施した勤務医アンケートを引用。週四十八時間以上の労働が六割にのぼり、月五日以上の当直勤務も17%という実態を紹介した。「医師に退職されないか心配」と打ち明け、「勤務医の負担軽減に理解を」と休日夜間診療所の利用などを呼び掛けた。
また、徳山中央病院の内田正志小児科部長は、十二月から運用する「周南地域休日・夜間こども急病センター」について、時間外の小児科初期救急に応じる「考え得る最高のシステム」と自負。それでも「継続に向けては皆さんの協力が必要」とし、受診側の意識改革も訴えた。(鴻池尚)
【写真説明】シンポで適切な受診に理解を求める小田院長(右から2人目)、内田部長(左端)らパネリスト
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