初代新幹線0系との別れを惜しむ鉄道ファンらでにぎわうホーム=15日午前7時50分、JR新大阪駅、青田写す
JR岡山駅で人気の弁当。0系車両の写真が包装紙に刷られている
「ここまでの盛り上がりになるとは」(JR西広報部)。同社は手厚い警備の準備を進める。22日から臨時運転が終わる12月14日まで毎週末、警備員を各駅に平均5、6人配置。さらに社員の動員と鉄道警察隊の協力も得て、1駅あたり十数人で警備する。7月の北海道洞爺湖サミットや関西での関連会合時のテロ警戒をしのぐ規模だ。
30日の営業運転ラストランの始発・岡山駅では、50人を超す警備態勢に。自由席券を求める鉄道ファン「乗り鉄」や車両の撮影が好きな「撮り鉄」の殺到を警戒する。指定席券を高く転売するダフ屋的行為にも目を光らせる。安全運行に影響すると判断した場合は、「自由席券を持っておられても乗車をお断りすることがあり得る」(広報部)としている。
引退商戦もにぎわっている。JR岡山駅では、山陽新幹線開業時の駅弁を再現した弁当が人気だ。1日30個限定だが、0系の写真が刷られた包装紙に人気が集まり、9月の販売開始から連日完売。「包装紙だけ売ってくれ」という客もいるという。JR博多駅などでは、0系車両を模したバウムクーヘン(長さ50センチ、直径3センチ)が1日200本以上売れる日もある。
「さよなら夢の超特急」と銘打ったツアーを企画したのは近畿日本ツーリスト。新大阪発で岡山県倉敷市を日帰りで巡るが、行きの新大阪―岡山だけは0系に乗れる。営業運転の終わる30日は50席を確保したが、あっという間に埋まった。(青田貴光)