2008年11月16日

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不況が招く婚活超氷河期

20081124_s_1.jpg 編集部 木村恵子、小林明子


◆通勤電車で婚活

通勤電車であたりを見回すのが癖になっている。チェックするのは女性乗客の左手薬指。「指輪あり」の近くに移動しては、こっそり観察。なんでこの人は結婚できたのか、自分との差は何なのか。販売会社勤務のミキさん(30)は、冷静な分析こそが「婚活」の第一歩と心掛けている。

だが先日はどうしても怒りがおさまらなかった。隣の「指輪あり」のカオは骸骨みたいで、おばさん風の服装。一緒にいた友達との会話を聞いていると、「やっぱり女の人生って結婚で決まるよね。うちは、旦那の収入があるから子どもの私立中学受験もできるわけだし」と、のたまっていた。なんでこの人がそんな相手と結婚できるの!一体私の何がダメだって言うの!

◆結婚条件の規制緩和を

「年収700万円以上、安定した企業に勤める人」。この条件は絶対だ。悔しいが、電車の骸骨女が言っていたのは正しいと思う。夫の経済力が、生活の質や子どもの将来までを決める。だから、妥協はできない。

最近はさらに不安が膨らんでいる。世界同時不況到来----。一体これから世界はどうなってしまうのか、と思うような暗いニュースばかりだ。

「こんな時に独身では不安と思うけど、不安になるほど、結婚相手の経済条件は譲れなくなって、ますます縁遠くなっている気がします。そろそろ結婚条件の規制緩和をしないといけないのはわかっているのですが......」

◆相手年収は600万超

アエラで今回、30代、40代の婚活中の女性など525人に調査したところ、相手に望む条件として経済的な要素がますます重要視されていた。相手選びで重視するトップ3は、「性格」を除けば「金銭感覚」「職業の安定性」「収入」。相手の理想年収は、600万円以上が8割超、800万円以上に限っても55%に上った。

だが、昨年度の国税庁の民間給与実態統計調査によると、年収600万円以上の男性は3割程度、800万円以上は15%だけだ。未婚の若手世代に限ればさらに割合は少ない。希望と現実の差はかくも大きいのだ。

それなのに、婚活女性の願望は、時代が不安定になるにつれますます肥大している。

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