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【萬物相】独島の有人化

 東京から1740キロ離れた太平洋上に日本の最南端に当たる沖ノ鳥島という小さな岩礁がある。この岩礁は満潮時に海面にわずか2メートル×5メートル、高さ70センチの岩が姿を見せる小さなサンゴ礁にすぎない。岩礁が波に侵食され続けたため、1998年に中曽根首相(当時)は領土問題がかかった国家の非常事態だとして、保護に乗りだした。

 日本の建設省は災害復旧という名目でサンゴ礁周辺に防波堤を築き、コンクリートの構造物1万個を設置して、1993年に高さ3メートル、幅50メートルの円形の人工島を建設した。400日以上、延べ8万人を動員し、285億円の費用を投入した。この岩礁が消えると日本の領土38万平方キロより広い漁業水域と排他的経済水域40万平方キロが消えてしまうためだ。

 岩礁を無理に島に仕立てた日本が逆に独島(日本名竹島)を岩礁に格下げしようと躍起になっている。どれだけ面の皮が厚いのだろうか。日本は1849年に独島を発見したフランスの捕鯨船リアンクール号に由来する「リアンクール岩礁」という名前を国際的に広めてきた。独島を主人がいない岩の塊にしてしまおうとするものだ。日本が全方位的なロビー活動を世界で展開したことで、独島を「リアンクール岩礁」と表記した百科事典やポータルサイトが全世界で2005年の2万2000件から3万8500件に増えた。

 国連海洋法条約121条は、島を「自然に形成された陸地」、岩礁を「人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない場所」と規定している。独島では1953年から独島義勇隊の洪淳七(ホン・スンチル)守備隊長ら33人が生活し、現在も独島守備隊と住民が居住している。高さも東島が99.4メートル、西島は174メートルに達し、日本が作った人工島とは比較にならないほど立派な島だ。

 政府と与党は20日、独島に総合海洋基地や集落、海洋ホテル、漁民宿舎などを建設する本格的な有人島化対策を発表した。政府はこれまで韓国が独島を実効的に支配しており、あえて声を上げて日本と国際社会に訴える必要はないとの政策を堅持してきた。このため独島に施設を建設せず、訪問者や居住者を制限してきた。そのうちに日本は独島周辺の海底地名を国際水路機構(IHO)に「対馬海盆」と登録するなど、さまざまな外交的戦術を使ってきた。韓国も独島が韓国領であるという事実を世界に深く印象づける積極的な外交に乗りださざるを得なくなった。

キム・ドンソプ論説委員

【ニュース特集】独島問題

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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